tl_bnr_land

新型テスラ「モデルY」、神コスパBEVへ進化!全く異なる外観デザイン、装備充実、快適性もアップ

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

大トルクでドーン!と加速するロングレンジAWD

ステアリング操作は、やや重め(標準)の設定となっている。もう少し軽めの設定であれば、非力な女性ドライバーや街乗りでの取り回しが楽になると感じた。アシスト量は「軽い」「標準」「重い」の3段階から選択可能だが、設定変更にはタッチスクリーンのやや深い階層にアクセスする必要があり、左手での操作が煩わしく今回は断念。そのまま走行を開始した。

試乗車の新型モデルY ロングレンジAWDは、フロントに150kW(240Nm)、リヤに220kW(350Nm)のモーターを搭載するデュアルモーター仕様。わずかなアクセル操作でも瞬時にトルクが立ち上がり、力強く加速する。その制御は、いかにもBEVらしく、モーターの鋭い反応が際立っていた。

少し踏み込んだだけでもスピードがどんどん伸びるため、高い電費を維持するには繊細なアクセルワークが求められる。アクセルを約50%踏み込むだけで、背中がシートに押し付けられるような強烈な加速を味わえた。

新型モデルYの0-100km/h加速は、わずか4.8秒。もはやスポーツカー並の俊足ぶりだ。この圧倒的な加速力こそがBEVらしさを際立たせ、テスラのアイデンティティを象徴する要素の一つでもある。

重いのに軽快なハンドリング。新型モデルYは乗り心地もより快適に!

試乗コースである箱根・芦ノ湖スカイラインでは、新型モデルYがSUVであることを忘れてしまうほど、スポーティな走りを披露してくれた。当初はやや重く感じたステアリングも、カーブが連続するワインディングではちょうど良い手応えに変化。ステアリング操作に対する応答性も高く、曖昧さがなくしっかりと車体が曲がる印象だ。狭く急カーブの多い道でも、車重1990kgの重い車体を感じさせない軽快なフットワークで、ドライビングを存分に楽しめた。

モデルYはやや背の高いSUVだ。一般的なガソリン車であれば、このような道では重心の高さが影響し、車体がふらつきやすい。対するモデルYは、大型の駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に搭載することで、低重心化を実現。背の高さを感じさせず、カーブでも安定した姿勢でスムーズに走り抜けていく。この安定感は、BEV特有のメリットといえる。

サスペンションはやや硬めのセッティングで、車体はわずかにロールしつつも、限りなくフラットな姿勢を保ちながらカーブを駆け抜ける。「これがSUVなのか?」と思わず感じるほどのスポーティさだ。

そして、今回のマイナーチェンジで大きく進化したのが乗り心地。従来モデルでは硬さが際立っていたが、新型ではやや硬めながらもマイルドさが増し、明らかに快適性が向上している。テスラによると、悪路での振動吸収性は51%も改善されたという。ただし、大径19インチタイヤの特性もあり、大きな段差ではリアタイヤを中心に「ドンドン」「ゴツゴツ」といった突き上げ感が残る場面もあった。とはいえ、マイナーチェンジ前と比較すれば大幅な改善が見られ、十分に許容できるレベルだ。

アジア勢に負けない神コスパBEVがモデルY

今回のマイナーチェンジによって、新型モデルYはさらに魅力的な1台へと進化を遂げた。

近年では、BYDやヒョンデといった新興BEVメーカーが、高いコストパフォーマンスで注目を集めているが、テスラもそれに引けを取らない。価格面では、これらのメーカーに対してやや高価な印象を受けるかもしれないが、装備の革新性や先進的な技術を総合的に考慮すれば、互角以上の競争力を備えているといえる。

今回試乗した新型モデルY ロングレンジAWDの価格は647万6000円。ここから国のCEV補助金として87万円が支給されるため、実質的な購入価格は大きく下がる。

価格に見合った性能と装備、そして先進的なドライブ体験を考えれば、モデルYのコストパフォーマンスは非常に高いレベルにあると実感できた。

テスラ モデルYの新車価格

・Model Y RWD:558万7000円
・Model Y ロングレンジAWD:647万6000円

*CEV補助金:87万円(2025年9月現在)

   ◇  ◇

◆大岡 智彦(クルマ評論家・CORISM代表)

自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

   ◇  ◇

【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

   ◇  ◇

【norico編集部おすすめ記事】
▽環境性能割が2年間停止へ!車の購入費用はいくら安くなる?
https://221616.com/car-topics/20251208-1/
▽【2025年】燃費が良い車ランキング!ボディタイプ別TOP5もご紹介
https://221616.com/car-topics/nenpi-best10/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース