tl_bnr_land

設計から施工、運営まで、スタッフはすべて学生! 岡山の商店街に「桃太郎」がテーマのコミュニティーカフェがオープン「建築学生の実践の場づくりが目的」

山陽新聞社 山陽新聞社

建築学生による建築学生のためのコミュニティーカフェ「岡山TONKAN(トンカン)」が、奉還町商店街(岡山市北区奉還町)に誕生する。

岡山、広島、香川県の建築学生らが自ら設計して空き店舗を改築。模型材料の販売や無料のワークスペースなどを備え、学生の技術習得をサポートする。12月6日のオープンを目指し、工事を進めている。

TONKANは建築、理系学生の採用サービスを運営するキャリア・ナビゲーション(東京)の事業で、学生の実践の場づくりを目的とした全国的な取り組み。同社が出資し、学生たちが場所を選定し設計から施工、運営までを主体的に担う。現在、東京や大阪、広島など14カ所にある。

岡山では昨年12月、取り組みを知った学生たちが手を挙げて実現した。岡山県立大、岡山理科大、岡山大のほか、香川大や呉高専で建築学を専攻する有志50人が参画。街歩きをして物件を探し、駅から近く、どの大学からも通いやすい奉還町商店街の空き店舗(1階の245平方メートル)を拠点に決めた。

設計はコンペで選び、今年9月、地元工務店の力を借りて施工を開始。メンバーが交代で壁や床の補修、照明の設置、机や椅子の製作といった作業を進めている。

入り口は本を開いたような形にし、勉強や製図、模型製作をするための机のほか、模型置き場、成果発表会を主催するためのステージ、建築に関する本や郷土資料を並べる本棚などを設ける。模型の材料を格安で販売し、作業の傍らに飲む無料ドリンクコーナー、A1判の印刷ができる大型の印刷機も導入する。

設計した岡山理科大建築学科4年高橋遼さん(22)は「岡山らしさを表す桃太郎の物語や本をコンセプトにした」と話す。郷土資料などから岡山への愛を育む「犬(忠誠)」▽勉強や模型製作を通して知識や経験を積む「猿(知恵)」▽成果を発表する「キジ(勇気)」▽会議室で自分や地域の課題を話し合う「鬼(問題)」ーなど物語の登場キャラクターをイメージしたスペースに分けた。

代表の県立大建築学科4年森岡輝成さん(22)は「大学では遅くまで勉強をすることができず、集中できる場所がない。地域の建築学生が安心して学べるスペースの必要性を感じていた」と打ち明ける。「学生同士が交流を深め、高め合い、地域にも成果を還元できるような場所にしたい」と期待する。

12月6日には記念パーティーを開く。オープン後は、地域の人向けの研究成果発表会を開いたり、建築学に興味を持ってもらうためのイベントを開く計画だ。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース