命には代え難いが…「家族内感染」は避けたい
院長先生の投稿に対して、「親としてはうつされないよう定期的に換気したいが異常行動が怖い」「同じ部屋で寝るのは賛成だが感染リスクも高まるのよな。もちろん命には代えられないけど」といった、保護者側の切実な声も多く寄せられた。
「こういったジレンマは診察室でもよく出る話題です。感染予防はもちろん大事ですが、感染防止と転落防止では、『転落等の事故防止』が優先されます。
厚労省のリーフレットにも、『インフルエンザにかかった時は、飛び降りなどの異常行動を起こすおそれがある。特に発熱から2日間は要注意』とあります。私自身もこのスタンスに沿って、
⚫︎自宅療養中は、少なくとも2日間は子どもを1人にしない
⚫︎ベランダや窓の鍵を確実にかける
⚫︎戸建ての場合は可能な限り1階で過ごす
こういった、 『転落予防を最優先にした対策』 を強く勧めています。インフルエンザによる異常行動でいちばん怖いのは<転落など命に直結する事故>です。転落事故は一度起きると取り返しがつかないのです」(おぎくぼ小児科の院長/365日診療さん)
「家族内感染」どう防ぐ?
それでも、家族内感染で保護者も同時に倒れてしまう事態は避けたい…。
そんな保護者の方々に対して、院長先生はいつも以下のようなアドバイスを行なっているという。
「インフルエンザによる異常行動による命に直結する事故を防ぐため、特に発熱後2日間は『感染よりも安全』を優先してください、とお伝えしています。
換気自体は間違いなく推奨される対策ですので、私が診察室でよくお伝えしているのは、発熱後2日間の『リスクが高い時間帯』に気をつけてほしい以下の対策です。
⚫︎窓を開ける際は必ず大人が側で見ている状態で短時間だけ換気する
⚫︎子どもが寝ている間や、大人が目を離す時は窓は閉めて施錠
⚫︎可能なら、換気は子どもがいない別室や廊下を中心に行う
⚫︎同じ部屋で寝る時は<大人はマスクを着用>
⚫︎可能な範囲で頭の向きをずらす/布団の配置を工夫する
事故防止を最優先にしながら、できる範囲で感染対策を組み合わせる、という折衷案です。
感染予防効果のエビデンスは低いですが、保護者の不安(感染リスク)にも寄り添う形で説明するようにしています」(おぎくぼ小児科の院長/365日診療さん)
また、窓や玄関の鍵に手が届く年齢の子どもがいる場合の対策として、「チャイルドロックを手が届かない場所に設置するのがおすすめです」と、Xに投稿していた院長先生。
「インフルエンザの有無に関係なく、子どもの転落防止対策は必要だと考えております。ベランダに物を置かない、補助錠の使用などが大切です。消費者庁でも紹介されています」(おぎくぼ小児科の院長さん)