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葬儀マナーに不安を感じる人が75%「心が大切」が過半数

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葬儀への参列は、自然と背筋が伸びるもの。故人を見送る場では、自分の作法で相手に不快感を与えないか、どうしても気になります。葬儀参列者の75%以上が「マナーや作法に不安を感じる」と回答していることが明らかになりました。

調査は、株式会社メモリードグループと株式会社NEXERが、事前調査で「葬儀に参列したことがある」と回答した全国の男女500名を対象として、インターネットで2025年10月に実施しました。

75%以上が葬儀マナーに不安を感じている

「葬儀に参列する際のマナーや作法についてどのくらい不安を感じるか」との質問に、「とても不安」(26.8%)、「やや不安」(48.6%)と答え、4人に3人が不安を感じていることが分かりました。「あまり不安ではない」は20.2%、「全く不安ではない」は4.4%でした。

▽「とても不安に感じる」と回答した人の理由
・あまりたくさんの回数の参列したことがないから全てのマナーが分からなくてネットに書いてあるのを参考にしているから、何が合っている情報で何が間違っているか分からなくて不安。(20代・女性)
・焼香時の作法や喪主、ご家族との会話などさまざまな事が不安。(40代・男性)
・お辞儀の場所と回数、焼香そのもののやり方に自信がありません。いつも前の人の真似をしています。(50代・女性)

▽「やや不安に感じる」と回答した人の理由
・10年以上参加していないので、作法に不安がある。(30代・男性)
・香典はどの程度の人まで渡すか。とくに会社の同僚。(30代・女性)
・宗派によって作法が違うので、不安になり緊張する。(50代・女性)

最も不安なのは「焼香の作法」

「どのような点についてマナーを間違えるのではないかと不安を感じるか」を尋ねたところ、「焼香の作法」が73.7%でした。次いで「挨拶・弔いの言葉」が61.0%、「香典」が47.5%、「服装・持ち物」が38.5%、「受付での対応」が34.2%でした。

焼香は手順や形式が複雑で、宗派によっても異なるため、多くの人が自信を持てずにいることが浮き彫りに。さらに、適切な言葉遣いが求められる弔いの言葉についても、半数以上の人が不安を感じています。

マナー違反の目撃は16%、配慮の欠如に注目

一方、実際に葬儀の場で「これはマナー違反では」と感じる場面を見たことがあるかという質問には、「ない」と回答した人は84.0%、「ある」と回答した人は16.0%でした。具体的には、以下のような回答が寄せられました。

・派手なアクセサリーつけている人を見かけた。(20代・女性)
・火葬場で骨を拾うときに写真撮影していた。ありえなさすぎてどうかしているのかと思った。(40代・女性)
・故人の顔にかけられている布を、遺族ではなく勝手にとって拝んでいるのを見たとき。遺族に了解を得ずにはやってはいけない行為だと思った。(50代・男性)
・ピンヒールを履いている人を見たとき。(50代・女性)
・終始笑顔でなにやら楽しそうにしていた人がいたこと。(60代・女性)

過半数が「基本を押さえて気持ちが大切」と回答

「葬儀のマナー」について自分の考えに最も近いものを選んでもらったところ、「基本的なことを押さえていれば良く、故人を偲ぶ気持ちが大切である」が55.2%、「そこまで気にしなくても良いと思う」は13.8%と過半数を占めました。

「厳格に守るべきであり、マナーは故人や遺族への敬意そのものである」という回答は12.6%に留まっており、「時代や状況に合わせて変化していくべきものだと思う」という意見も16.8%あり、儀式は時代の流れとともに柔軟であるべきだと考える人も一定数いることが分かりました。

▽「基本的なことを押さえていれば良く、故人を偲ぶ気持ちが大切である」と回答した人の理由
・マナーを細かくかしこまったところで故人に伝わるものではないから、気持ちだけ持っていければ良いと思う。(30代・女性)
・基本は気持ちが大切。お通夜などどうしても間に合わないなら、職場から直で。特に礼服にこだわらなくてもいいと思う。(50代・女性)
・作法やしきたりが場所や宗旨宗派によって異なりすぎ、肝心なのは心。(60代・男性)

▽「時代や状況に合わせて変化していくべきものだと思う」と回答した人の理由
・マナー違反であっても周りが気にならなければ特に気を遣う必要はないと思う。(30代・男性)
・多様性の時代だと思うから。(50代・男性)

▽「厳格に守るべきであり、マナーは故人や遺族への敬意そのものである」と回答した人の理由
・亡くなった人は言葉を話せないのでマナーは完全に守るべきだと思うから。(40代・女性)
・遺族は気持ちが過敏になっていると思うので、大袈裟なくらいの気遣い、マナーは必要だと思っています。(50代・女性)

◇  ◇

今回の調査では、葬儀参列者の多くがマナーに不安を感じながらも、形式よりも「故人を偲ぶ気持ち」を大切にしたいと考えていることが明らかになりました。特に焼香の作法については、宗派や地域による違いもあり、多くの人が自信を持てていない状況です。

しかしながら、実際にマナー違反として批判が集まるのは、写真撮影や派手な服装など、故人や遺族への配慮を欠いた行為でした。今後、家族葬の増加や価値観の多様化により、葬儀の形式はさらに柔軟になっていくことが予想されますが、本当に求められるのは細部にこだわることではなく、故人を敬い遺族に寄り添う「心」を軸にした行動だと言えるでしょう。

【出典】
株式会社NEXERと自由に家族葬による調査
▽自由に家族葬
https://jiyuni-kazokusou.jp/

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