日本各地で「ヒグマ」「ツキノワグマ」による人身事故が急増している。
2025年度は、すでに2006年の統計開始以来最多の死亡者数を更新。
群馬県では地域住民に対して警察が、「不要不急の外出を控え、戸締まりを確実に」と呼びかけるなど、もはや災害ともいえる異例の事態だ。
そんななか、銃器、狩猟・アウトドア・防犯用品等の輸入・卸・小売り販売する株式会社トウキョウジュウホウ / Tokyo Juho, Inc.(@tokyojuho)さんが、「クマ被害についてよく聞かれること」をX(旧Twitter)に投稿。
そこに記されていたのは、「急増するクマによる人身被害」の最大の理由ともいえるものだった。
「豊作凶作」よりも深刻なこと
「正直な熊のお話。まず大事な事:熊は増えてます。とっても。
ドングリやブナ等の豊作凶作はあまり関係がなくなっております。
大雑把にですが、例えばある山が通常10頭の熊を養える時が普通だとしましょう。豊作時は15頭で、凶作時は5頭です。豊作の後に普通でも、5頭は餓死する前に山を出ます。普通時の後の凶作でも、同じです。
ずっと豊作を上回る豊作が起きることはほぼあり得ないので、頭数を調整しないと結局出没場所のシフトになってしまいます。
ハンター/猟師さんが多かった時代は、熊が人間への危険性を覚える機会があったのですが、現在はハンターさん自体に会っていない熊が多くなりました。
そのため、新世代熊のほとんどは人間が怖くない(普通の他動物程度)のです。熊鈴が効かないケースが増えたのもここにあります。
さらに重要なのが、市街化調整区域等を制定したせいで、都市と山の間で余計人の手が入りにくくなったことです。乱開発(スプロール)等を防ぐために出来た都市計画法ですが、このせいで”農家を除く一般の方”が市街化調整区域で、事実上、家を建てられなくなりました(家を建てられない=土地の価値が下がる=手入れも減る:悪循環)。
結果、緩衝エリアがほぼなくなりました。法改正や、熊の捕獲頭数が大幅に増えることが起きない限り、市街地熊被害はこれからも増えます」
<株式会社 トウキョウジュウホウ / Tokyo Juho, Inc.さんのXの投稿より>
「クマがヒトの生活圏」に侵入し始めている
トウキョウジュウホウさんにお話を聞いたところ、これは「ヒグマ」と「ツキノワグマ」の両方に共通して言えることだという。
今回のトウキョウジュウホウさんの投稿について、多くの共感と驚きの声が寄せられた。
「『緩衝地帯が昔と比べて減った』はクマ被害の原因の1つとして以前から提起されてるね。『ヒトがクマの生息域を荒らした(からクマ被害に遭う)』のではなく『ヒトの生息域が後退してグレーゾーンもなくなったからいきなりクマと出会すようになった』という」
「法律が制定された頃と環境が変わり、その法律自体が別の制約を与えて意図せぬ環境の変化を促進しているということか」
「熊は増えてるのに猟銃免許を持ってる人は大幅に減ってますしね。1980年に比べて半分以下です」
「セミとか植物じゃないから1年でいなくなったりもしないからね。生き延びれば来年もそこにいるわけで。間引かず自然に減るように…と考えるのが甘いくらいにはクマは生態系のトップ帯にいるし」
「凶作で~メガソーラーで~云々というが、強く賢い個体はちゃんと山奥に餌場と寝床を確保している。特定の木の実が凶作でも、他の木の実や鮭など食べる物はたくさんある。電気柵をすればいい!→ヒグマは平気で乗り越えますが。ドングリを撒こう!→餌付けされた熊が人に近付いたらthe endだが?」