tl_bnr_land

「4年前ヒグマに襲われた被害者は『上半身』が見つかってないんだ!」ヒグマ駆除の「抗議電話」に北海道民が激怒

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

新聞配達中の男性がヒグマに襲われ死亡した北海道福島町で、7月18日未明にヒグマ1頭が駆除された。

駆除されたオスのヒグマのDNAを調べた結果、福島町三岳で被害に遭った男性の遺体から採取されたものと一致。また、4年前に福島町白符で高齢女性を殺傷した個体と同一であることも判明した。

福島町役場にはこの「ヒグマ駆除」に対する苦情電話が相次いでいるという。

これに対して、北海道民から怒りの声がX(旧Twitter)に投稿された。

被害者の遺族の無念、考えたことある?

「言っとくけどなあ、4年前に殺されたおばあさん、上半身見つかってないんだぞ!もし…もしそれが自分の家族でその羆(ヒグマ)の犠牲になってたら…と思うと、仇(カタキ)をうってくれてありがとうって思うよ。抗議するやつにムカついて今日は心がザワつくわ!役場の皆さんの代わりに電話に出たいくらいだよ」

クマは「生きたまま」喰い殺す

獲物を仕留めた後に捕食するライオンやトラなどと異なり、クマは獲物を生きたまま喰い殺すという。

19歳のロシア人女性が生きたままヒグマに喰われ、想像を絶する恐怖と痛みと最後の言葉を携帯電話で母親に伝えた「ペトロパブロフスク熊事件」(2011年)が有名だ。

ヒグマ駆除に抗議電話をかける人たちの大半が、こういったクマの恐ろしさや、被害者や遺族の無念を理解していないのではないか、と投稿者は訴える。

抗議する人は自分でヒグマに麻酔を撃ち、捕獲して飼育してくれますか?

「福島町外からたくさんの抗議電話があったと知りました。北海道民はヒグマの恐ろしさを熟知しており、自治体も出来る限り費用などをかけて懸命に対策しています。そういった地元の努力やヒグマの恐怖を知らない人が安全な場所から抗議したのであれば、被害者家族や不安を抱えて暮らす地域住民に対するひどい侮辱だと思います。

クマを可哀想だと思う気持ちも理解出来ないわけではありません。クマより人間が偉いとも思いません。山菜採り等で安易にクマのテリトリーに入って襲われたら…自業自得かもしれません。ですが、今回の被害男性は住宅街での新聞配達中であり、女性は自宅の畑で作業していただけです。人間社会では殺人を犯せば刑務所行きで、最悪死刑です。でも人を殺めたクマは野放しですか?誰が麻酔を撃って捕獲するんですか?抗議した人が捕獲したクマを自費で輸送して自宅で飼育してくれますか?責任を負えないなら黙っててほしい、というのが住民の気持ちだと思います」(投稿者)

札幌市も全体の2/3が「山や森」

投稿者は北海道在住のバスガイド。2名の被害者が出た福島町には仕事で何度も訪れており、また、同町に住む甥から、当該ヒグマが駆除されるまでの間、「獣臭がする」「仕事が終わって帰宅したが車から降りられない。玄関まで行くのが怖い」といった連絡を深夜に何度も受けていたそうだ。

「太陽光発電がクマの住処を奪ったと訴える方もいますが、地図を見れば、北海道最大都市である札幌市ですら3分の2が山と森です。事件があった福島町などは山や森の方が圧倒的に多いです。

もちろん、北海道でも猛暑や災害などの影響で、山に住むクマや鹿やキツネの食料が少ない時もあります。そうすると、人間が作った畑の作物を鹿などが食べに来る、その鹿を追いかけてヒグマが来る、その時に鹿よりも足が遅くて弱く、容易に捕まえられる人間がいたら…考えるだけで恐ろしいです」(投稿者)

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース