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「別居婚8年やってみた」夫婦が語るリアル 小さな気遣いをしなくて済む距離感…思ったよりずっと“普通”な夫婦関係

長澤 芳子 長澤 芳子

新婚生活といえば、新居で一緒に暮らす姿を想像する人が多いでしょう。同じ屋根の下で、家具を揃え、家事の分担を決め、2人の生活を築いていく。それが結婚の「当たり前」と考えている人は多いかもしれません。しかしそんな常識にとらわれず、自分たちに合った夫婦の形を選んだのが、藤原華さんご夫婦です。藤原さんたちは、始めは一緒に暮らしたものの、そのあとに別居婚というスタイルを選びました。

その体験をつづったエッセイ『別居婚を8年続けてみた』は、2022年に開催されたnoteの投稿コンテストで、7623件の応募作品の中からグランプリを受賞。大きな注目を集めました。

「どうして一緒に住まないの?」「夫婦仲は大丈夫?」と周囲から驚きや心配の声が寄せられることもあります。けれど本人たちにとっては、この距離感こそが心地よく、関係をより良好に保つ秘訣だといいます。

そこで、なぜ別居婚を選んだのかや、別居婚でよかったことなどを、藤原華さんに詳しく聞きました。

距離があるからこそ、うまくいく

ー「別居婚を8年やってみた」を執筆したきっかけを教えてください。

当時noteを始めたばかりの頃で、何かに挑戦してみたいと思っていた時期だったため、エッセイコンテストに応募するために執筆いたしました。通知機能が作動しなくなるほどコメントもたくさん来て、すべてを確認できませんでした。

ただ、正直なところ、他人にどう思われるかに全く興味が持てないというのも実情です。

ー「自然な流れで別居婚になった」とのことですが、この形でよかったと強く思えたのはどんな瞬間でしたか?

生活リズムがあまりに違う相手へ気遣いをしなくて済んだことですね。夫は深夜に帰ってくるので、もう既に眠っている私を起こさないよう静かに冷蔵庫をあけしめしたり、シャワーを浴びる時もシャワーヘッドをなるべく髪や体に当てて水の音が出ないようにしてくれていたようです。そういった小さな気遣いをしなくて済むようになったのは大きいと思います。

ーnoteでは「干渉されない安心感」と表現されていましたが、反対に「自由ゆえに不安になること」はありませんか?

特にないです。自由には常に責任が伴いますが、その責任を背負う覚悟で生きていますので不安にさらされたことはないですね。今後も、その責任を放棄しない限り、不安におびえる未来は絶対に来ないです。

ー離れていることで、「寂しい」と思ったことはありませんか?

これもないですね。別居する前と後で夫と顔をあわせている時間の総量は変わらなかったためです 。

別居って、皆さんが思うよりもはるかに普通です。同居している夫婦と比べた時に、夫婦関係の構築と更新に差異が出ることってあんまりないかなと思いました。

ー最後に読者へメッセージをお願いします。

別居婚のエッセイを読んで下さった皆さんへ。別居婚のエッセイを通して読者の皆さんに伝えたかったのは、「みんな違って、どーでもいい」というただこれだけです。

好きな所に行き、好きに生きたらいい。

そういうメッセージが届いていたら、物書きとしてこれに勝る幸せはありません。

皆さんの貴重な時間をつかってエッセイをお読みいただき、本当にありがとうございました。

◆藤原華(ふじわら・はな)さん 大手Web媒体の編集長を務め独立し、「読まれる文章」の書き方を発信している日本一の編集者。Xのフォロワーは約10.6万人。
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