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アレルギーの受診が増加傾向、命にかかわる場合も…〝発症と悪化の予防策〟とは【薬剤師が解説】

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アレルギーの予防方法は?

アレルギーの発症を予防したり症状を悪化させたりしないための対策を、4つのポイントに分けて解説します。

▽スキンケアを適切に行う

適切なスキンケアは、アレルギー発症の予防になります。皮膚のバリア機能が低下すると、アレルゲンが皮膚から体の中へ侵入してしまい、アレルギーを引き起こすIgE抗体が作られて免疫反応が起こる「経皮感作」の状態になります。

アレルギー予防のスキンケアでは、皮膚を石けんでやさしく丁寧に洗い清潔にします。その後は皮膚が乾燥しないように保湿剤を塗りましょう。新生児のころから保湿剤の塗布を続けると、アトピー性皮膚炎の発症率が3割低下することが報告されています。

▽食事制限は最低限に行う

食物アレルギーがある場合、食事制限を行うものは、食べると症状が現われる食品のみにしましょう。アレルギーの原因となる食品を食べても、症状が出ない範囲までは摂取することができますが、患者さんによって食べられる量は異なります。思い込みや血液検査の結果のみで判断することは避け、医師の正しい診断のもとに、最低限の食事制限を行うことが大切です。

また、将来的な食物アレルギーを防ぐために、離乳食の開始時期を遅らせることは現在推奨されていないため注意しましょう。

▽感染症対策を行う

アレルギー疾患のなかでも気管支喘息は、ウイルス感染や細菌によって症状が悪化しやすくなります。日ごろから外出後の手洗いやうがいを実践し、感染症を予防しましょう。さらに、インフルエンザが流行する前に予防接種を受けることをおすすめします。

▽部屋の清掃を行う

アレルギーの原因がダニやカビ、ホコリなど室内の環境にある場合は、部屋の清掃をこまめに行うことが大切です。

できるだけ毎日掃除機をかけることが望ましいですが、難しい場合は少なくとも3日に1回はかけるようにし、床や畳を掃除するときはホコリが飛び散らないように、掃除機をゆっくり丁寧に動かすことを心がけましょう。

寝具やクッションはできるだけ水洗いできる素材のものを選び、こまめに洗濯しましょう。水洗いできない素材の場合は、掃除機でほこりを吸引したり、天日干ししたりして、ダニが繁殖しにくい環境にすると効果的です。

アレルギーが疑われるときは早めに専門医に相談

アレルギーは身近にあるさまざまな物質が原因となり、アレルギーが関連する病気には、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などがあります。症状は皮膚のかゆみやくしゃみからアナフィラキシーまで多岐にわたりますが、対症療法やアレルゲン免疫療法で症状をコントロールすることが可能です。

日常生活では、適切なスキンケアや必要最小限の食事制限、感染症対策やこまめな部屋の清掃を実践することで、アレルギー症状の発症や悪化を予防できます。アレルギーが疑われるときは早めに専門医に相談し、自分に合った対策に取り組むことをおすすめします。

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【監修者プロフィール】

◆加藤あゆ里(かとう・あゆり) 調剤薬局で21年の実務経験を持つ薬剤師。多岐にわたる診療科と在宅医療での経験を活かし、医療従事者から一般読者まで、幅広い層に向けた信頼性の高い医療・健康情報を提供する。

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