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アレルギーの受診が増加傾向、命にかかわる場合も…〝発症と悪化の予防策〟とは【薬剤師が解説】

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アレルギーの検査方法は?

アレルギーの検査方法は、血液検査・プリックテスト・パッチテスト・誘発試験などがあります。それぞれの方法について、内容と検査で分かることを解説しましょう。

▽血液検査

血液検査では、アレルギーを引き起こすIgE抗体が、アレルゲンごとにどの程度含まれているかを測定します。一度に36種類から48種類のアレルゲンを調べられる検査と、項目を絞って行う検査があります。血液検査で調べられるアレルゲンは以下のとおりです。

・ 食物アレルゲン
農産物(キウイ・バナナ・リンゴ・ソバ・小麦・大豆・米・ゴマ・ピーナッツ)・魚介類(マグロ・サケ・サバ・エビ・カニ)・牛乳・卵白・オボムコイド(卵白に含まれる成分)・肉(豚・牛・鶏)
・花粉アレルゲン
スギ・ヒノキ・ブタクサ・シラカンバ[属]・ハンノキ[属]・ヨモギ・カモガヤ・オオアワガエリ
・環境アレルゲン
ハウスダスト・ヤケヒョウダニ・ゴキブリ・ガ・犬や猫のフケ・真菌類(アスペルギルス・アルテルナリア・カンジダ・マラセチア[属])・ラテックス

検査結果はクラス0からクラス6の7段階で示され、クラス2以上が陽性と判定されます。ただし、血液検査でクラス2以上と判定されても、症状が現われない場合はアレルギーとは診断されないため注意しましょう。

▽プリックテスト

プリックテストは、皮膚にアレルゲンを少量乗せて、専用の針で皮膚に小さな傷をつけてアレルギー反応を確認する方法です。検査を開始してから15分〜20分後の反応の強さ(腫れや赤み)によってアレルギーであるかどうかを判断します。

プリックテストが適応となる疾患は、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎・食物アレルギー・ラテックスアレルギー・薬剤アレルギーなどの即時型アレルギーの判断に使用されます。

▽パッチテスト

パッチテストは、アレルゲンを含むシールを背中や腕に貼り、48時間後の反応の強さを確認する方法です。パッチテストは遅延型アレルギーを調べるために用いられます。遅延型アレルギーには接触性皮膚炎があり、金属・化粧品・シャンプー・薬品などさまざまな物質について検査可能です。

▽誘発試験

誘発試験とは、アレルギーを引き起こす可能性のある物質を実際に摂取して反応を観察する方法で、食物アレルギーで行われる食物経口負荷試験があります。患者さんに少量のアレルゲン食品を摂ってもらい、アレルギー症状の有無を確認するため、食物アレルギーを診断する確実な方法です。重度のアレルギー反応が起きたりアナフィラキシーが起きたりする可能性があるため、食物経口負荷試験は専門医の管理のもとに行われます。

アレルギーの治療はできる?

アレルギー疾患を根本的に治すことは現在の医学では難しいと言われていますが、症状をコントロールする方法はいくつかあります。大きく分けると対症療法とアレルゲン免疫療法の2つがあり、さらに対症療法は、現れている症状をやわらげる治療と炎症をしずめる治療に分けられます。

アレルギー疾患は、治療効果が現れるまでに時間がかかったり、長期にわたって治療が必要となることが多く、公的医療保険を適用しても医療費が高額になることがあります。重篤なアレルギー症状が起こり、入院などで治療費が高額になった場合は、高額療養費制度を使うことで自己負担額を軽減できます。

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