“回すとおじさんが踊り出す傘”の動画がXに投稿され9万”いいね”を集めるなど話題を呼んでいます。その名も「ろくろアート傘」と名付けられたこの作品は、広げた傘を回すことで表に描かれた大量のおじさんのイラストが踊っているように見えるというもの。「これは楽しくなるし、雨の日に使いたくなる」「意味もなくクルクル回したくなる」などと200件を超えるコメントも寄せられています。
この不思議なアートを生み出したのは、プロカリンバ奏者の木佐貫洋平さん(@LimbaTrip)。もともと円形のものに少しずつ変化する絵を描いて回転させる「ろくろアート」を趣味にしていたという木佐貫さん。いつかそれを「もっと大きく、もっと目立つ形で表現できないか」と考えていた中で思いついたのが、回転面積が大きく目立ちやすい“傘”というキャンバスだったと言います。
「絵を描くプロではないので、自分が一番描きやすい面白いものをいろいろと描いていて、その延長で“おじさん”が生まれました」
ちなみに傘のデザインは、木佐貫さんの2025年新作音源のジャケットにも使われているのだそう。
2年間の改良を経て完成した「ろくろアート傘」
この「ろくろアート傘」は、2年ほど前から改良を重ねてきたと言います。
「絵のコマ数を細かく分割すればするほど、円を回すスピードがゆっくりで済みます。速く回さなければならないと、回転がぶれてキレイにアニメーションが動かないし、危険もあるかもしれない。だから、絶妙な速度で回せるよう計算して描きました」
回す角度、線の配置、回転スピードなど、細部にまで神経を注いだ工夫の積み重ねが、完成度の高い“踊るおじさん”を実現させています。
ところで、なぜ本業である音楽活動とは異なる「傘アート」にここまで力を注ぐのでしょうか。
「自身のSNSでたくさんバズって、”自分の音楽活動の紹介につながれば”、という気持ちで日々投稿しています。音楽と関係ないことでも、興味があることはとりあえずやってみるようにしています」
投稿では「傘会社の偉い人」に届くことを願う一文も綴られていましたが、今後の展開については「特にビジョンはない」と笑います。
「面白いものが作れたので、それで満足です。カメラ越しで楽しむ作品ですので、SNSで拡散してもらえたら嬉しいです」