「夫婦関係を改善したいけど、何からしていいか分からない…」「どうしたら話し合いのきっかけを作れるだろう」と悩んでいる方もいるかと思います。
実は、セックスレスの解消には、夫婦間のコミュニケーションの改善が最も重要です。効果的なコミュニケーション術とともに紹介します。
夫婦のセックスレスの定義とは?
「セックスレス」という言葉はよく耳にしますが、実際にどんな状態を指すのでしょうか。
一般的には、夫婦間で1カ月以上性的な関係がない状態をセックスレスと呼びます。ただし、これはあくまで目安であり、夫婦ごとに感じ方や認識には違いがあることも理解しておくことが大切です。
◆セックスレスとは具体的にどういう状態か
以下の状態が1カ月以上続いている場合、セックスレスの可能性があります。
・性的な関係を持っていない
・お互いに性的な関心が低下している
・性的な関係を持とうとする意思がない
・スキンシップ自体が減少している
大切なのは、単に性的な関係があるかどうかだけでなく、夫婦間の親密さや絆が薄くなっていることが、セックスレスの本質的な問題であるという点なのです。
◆年代別にみるセックスレスの特徴
セックスレスの特徴は、夫婦の年代によって大きく異なります。
それぞれの年代で直面する生活環境の変化や心身の状態の違いによって、セックスレスに至る背景や課題が変わるのです。
【20代~30代前半】
結婚初期から子育て期にかけては、生活環境が大きく変わる時期です。共働きで疲れがたまりやすく、出産や育児によるライフスタイルの変化が、夫婦の時間を減らしてしまう原因になります。
特に、第一子の出産後は育児に時間がかかり、夫婦だけの時間が大幅に減ってしまいます。さらに、女性の体調や気持ちの変化、男性の育児への関わり方も、夫婦関係に大きな影響を与えやすい時期です。
この時期、仕事と家庭の両立のストレスも大きく、コミュニケーション不足が原因で誤解が生まれやすくなるでしょう。
【30代後半~40代】
キャリアと子育てを両立させる時期は、時間的にも精神的にも余裕が最も失われやすい年代です。子どもの教育費や住宅ローンなど、経済的な負担が重くなることが多く、仕事の優先度が高くなりがちです。
また、結婚生活が長くなることで、お互いに対する新鮮さが薄れ、日々のルーチンに埋もれてしまうことが増えます。この時期には、親の介護が始まることもあり、さまざまなストレスが重なりやすくなるでしょう。
さらに、女性は更年期に差し掛かり、ホルモンバランスの変化を感じ始める年代でもあります。
【50代以降】
子育てが終わり、定年退職など生活環境が大きく変わる時期です。子どもが独立して夫婦2人の時間が増えますが、逆にコミュニケーションの取り方に戸惑うことも少なくありません。
女性は更年期を迎え、男性も加齢による身体的な変化を感じ始める時期です。特に、定年後は夫婦の時間の使い方や価値観の違いが浮き彫りになりやすくなります。
ただ、この時期はお互いの健康を気遣い、新たな夫婦関係を築くチャンスでもあります。身体的な変化を受け入れながら、精神的な絆を深める工夫が大切です。
このように、セックスレスは年代ごとに異なる特徴や課題があります。しかし、これは多くの夫婦が経験する一般的な問題であり、適切に対応すれば改善することができるでしょう。
セックスレスになる原因
夫婦間のセックスレスは、複数の要因が重なり合って発生します。セックスレスになる主な原因をまとめると以下の通りです。
◆生活習慣の乱れ
現代社会では、生活習慣の乱れがセックスレスの大きな原因となっています。長時間働き過ぎることで疲れが溜まり、帰宅後の夫婦の時間に影響を与えます。残業や休日出勤が続くと、パートナーと顔を合わせる時間さえ取れなくなりがちです。
さらに、夜遅くまでスマートフォンを使ったり、不規則な睡眠時間も大きな要因となります。本来は会話やスキンシップを取る時間が、スマホに夢中になったりする時間に変わってしまうことが多いです。また、運動不足で体力が落ちると、夫婦の親密な関係を築こうという気持ちも減ってしまいます。
◆心理的なストレス
仕事や家庭生活でのさまざまなストレスは、セックスレスの大きな原因です。特に、仕事のプレッシャーや育児・介護の負担は、心身に疲れをもたらすだけでなく、パートナーへの関心を低下させてしまいます。
また、住宅ローンの返済や子どもの教育費など、経済的な不安を抱える夫婦も多くいます。こうした将来への不安やストレスは、夫婦間の気持ちに余裕をなくし、親密な関係を築くのが難しくなってしまうのです。
◆コミュニケーション不足
夫婦間のコミュニケーション不足は、セックスレスを引き起こす大きな原因の一つです。「言わなくても分かるはず」と思い込んだり、「今は忙しいから後で」と問題を先送りにしたりすることで、お互いの気持ちを共有する機会がだんだん減っていくでしょう。
また、食事の時間がずれたり、休日でもそれぞれ別々に過ごすことが増えると、自然と会話が少なくなります。このように、日常的なコミュニケーションが減ると、夫婦の心理的な距離が広がり、親密な関係を築くのが難しくなってしまいます。
◆環境的要因
夫婦のプライベート空間が確保できないことも、セックスレスの原因となります。子どもと同じ部屋で寝たり、親と一緒に住んだりすることで、2人だけの時間や空間を持つことが難しくなるでしょう。
また、夫婦の生活時間帯がずれていたり、寝室が別々になる習慣も影響を与えます。仕事の都合で帰宅時間が大きく異なったり、休日も一緒に過ごせないことで、夫婦で過ごす時間が自然と減ってしまうのです。