祖父と、父を継ぐ3代目…25歳の「理容師」 関東で全国トップになってUターン、地元での夢は?

山陽新聞社 山陽新聞社

 理容業界最大の競技会「第76回全国理容競技大会」(10月、愛媛県)のレディス・クリエイティブヘア部門で優勝した理容師・岩井勇磨さん(25)=千葉県浦安市=が2025年1月、岡山市の実家の理容室にUターンする。千葉県のヘアサロンで培った全国トップの技術で「地域に愛される理容師になりたい」と意気込む。

 大会は男女のカットやスタイリングの技を競う計5部門ある。レディス・クリエイティブヘア部門は、女性の独創的な髪形、メーク、衣装をトータルでコーディネートする。岩井さんを含め地方大会を勝ち抜いた36人で争った。

 岩井さんの作品は紫、青、緑、黄色など7色を使って毛束にグラデーションを施し、風になびくような躍動的なスタイルに仕上げた。「生命力があふれる世界観を追求した」とし、髪色に合わせた色鮮やかなメーク、草花の飾りをふんだんに使った衣装を採用。審査で100点満点中99・5点を獲得した。

 「理容師なら誰もが憧れる大会でチャンピオンになりたい」と志を抱き、岡山県理容美容専門学校(岡山市)を卒業した20歳の時、父(56)の知人で大会優勝経験がある千葉県のヘアサロンオーナーの元で働き始めた。

 22年大会では3位、23年は2位と栄冠まであと少し。今回は「最後」と決めていた4回目の挑戦。「見た人を圧倒する表現力が必要」と考え、東京や千葉の美術館、森林などに足を運んで作品のイメージをつくり上げた。

 ほぼ毎日3時間の実践練習を続けた努力が実り、優勝メダルを手にした。「5年越しの夢がかなって本当にうれしい。感謝の気持ちでいっぱい」と喜ぶ。

 1月からは祖父(85)が創業した理容室「へあーあそしえ いわい」(岡山市南区福吉町)で「3代目」として働く。

 「岡山では『あんたじゃなきゃ駄目』って言われるくらい、お客さんにとってかけがえのない存在になりたい。大会の経験を生かし、理容師を目指す学生をサポートする活動もできれば」と新たな夢を膨らませている。

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