「夏の終わりの君たちへ」
全国各地の廃墟写真をX(旧Twitter)などで紹介し人気のtoshiboさん(@JIYUKENKYU_jp)。夏の終わりに行った恐ろしい投稿が話題を呼んでいます。
「8月32日の入口はこちらです」
こんなコメントとともに紹介されたのは、地下に続くトンネルの風景――。
さらに、関連ポストを通じて、この後の出来事についても紹介。投稿が続くにつれ、8月33日、8月34日…と日付が進んでいきます。日が経つにつれ、投稿文も奇妙な文字化けを起こすようになり、そして最後の投稿――。
ほとんど読めないような状態になってしまいました。異世界に迷い込んだような、世にも恐ろしい写真の数々。実はこの一連のポスト、2022年から毎年この時期に行っている、toshiboさんの恒例の投稿なのだそうです。
「8月32日の世界」というのは、プレーステーション用ゲームソフト『ぼくのなつやすみ』からヒントを得たもの。同ゲームでは、ある操作を行うと8月32日以降がプレイできるという、有名なバグがあります。それに、ご自身の作品を絡めた遊び心あふれたポストだった――というわけですね。
リプ欄にも、たくさんの反響がありました。
「こ、怖すぎる。。」
「行ったら帰ってこれなさそうな入口」
「何だろう謎の地下空間へ行くのか!9月は永遠に来ないような」
「文字化けの演出がホラー感あっていいですね!」
「映画の世界みたいですね!」
「世にも奇妙な物語」
toshiboさんに、今回の投稿や廃墟写真を撮りはじめたきっかけなど、詳しい話をおうかがいしました。
――今回のような投稿を行ったきっかけは?
toshiboさん:当時、Twitter(※Xに名称変更する前)のトレンドに「8月32日」があがっていまして、そこに(廃墟写真を)添えたら面白いかなと思い、8月33日、34日…みたいな感じでツリーで続けてみました。最終的には文字化けによって、バグった世界から抜け出せないような終わり方にしていたのですが、それも反響が良かったように思えます。撮っているジャンルが廃墟などの暗い写真なので親和性もあるかと思います。
――今回紹介されたのは、どこで撮られた風景ですか?
toshiboさん:テーマがあった方が締まりがいいかなと考えてまして、今回は最初の写真が北海道にある駅舎の跡でしたので、鉄道をテーマにしています。その後も石川→山形→岡山→埼玉、でそれぞれ撮った過去の写真を使用していますが、鉄道が軸としてあるのですんなり見れたのではないでしょうか。
――撮影や現像には、どのようなカメラやソフトを使われていますか?
toshiboさん:現在のメインカメラはソニーのデジタルカメラのα7R Vですが、今回の投稿では昔撮った写真を引用しているので、最初のもの以外はα7R IIIで撮影しています。また、HDR(ハイダイナミックレンジ)という処理を毎回手動で行っていて、現像ソフトはAdobe LightroomとPhotoshopの両方を使っています。
――廃墟はいつ頃から撮影されているのですか?
toshiboさん:かれこれ8年目となります。一時期は廃墟にばかり集中しすぎていましたが、近年は今回の投稿にもある鳥居のような、ダークな雰囲気の写真や動画も撮るようになっています。むしろそっちの方が多いかもしれません。
――廃墟の魅力とは?
toshiboさん:写真や映像の鑑賞者が、そこにあるストーリーを想像できることかなと考えています。廃墟が廃墟となるバックグラウンドはもちろんあるのですが、あまり答えを出し過ぎずに想像して楽しんでもらうような事を心掛けています。また、自分個人が魅力だと思う理由も他にあるのですが、あまり言わないようにしているのであえて伏せさせてください(笑)。
◇ ◇
廃墟など、ダークで不思議な世界を写真で表現されているtoshiboさん。2024年1月に、初の作品集『ゲーム旅』を発売。「実在するゲームにありそうな世界を写真で見てみましょう」というようなコンセプトで作られた書籍とのことです。
■toshiboさんのX(旧Twitter)はこちら
→https://x.com/JIYUKENKYU_jp
■toshiboさんの書籍『ゲーム旅』はこちら(Amazonのページ)
→https://www.amazon.co.jp/dp/4875866917