【政治とカネ(1)後編】「権力闘争に使われるカネ」の具体的事例-旧来の価値観や慣習の根本的変革が必要 豊田真由子が解説

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

日本で女性総理が誕生してこなかった理由

私は、日本に女性総理が誕生してこなかった大きな理由として、(そもそもの「政治におけるジェンダーバランスの問題」といった論点はもちろんあるのですが)、「これまでの自民党総裁が選ばれる力学・方法」においては、「こうしたドロドロの世界で、権力への強烈な志向に基づいて、潤沢な資金を使って、長い時間をかけて、大勢の仲間・子分を作り、戦い抜く」ということが、基本的に絶対に必要で、となると、一般論として、女性はあまりそういう傾向を持たず、そういったアクションを実行しない・好まないという中で、てっぺんに昇り詰めることが事実上難しかったということが、あると思います。

今のご時世、特に「ジェンダーの違い」について述べることには慎重さが必要ですが、上記のような帰結は、私自身が権力欲というものを持たない(人の役に立つ仕事をしたいだけ)ことや、政治の現場で女性の先輩方を見ていての、実際の経験に基づく実感としてありますし、また実際に、「女性は、男性ほど権力志向が強くない、権力の行使によって影響を及ぼすやり方や上下関係を好まない、他者を支配することにあまり興味がなく、権力を得るために行動することが少ない」といったことについての研究結果が、多く示されています(例:米スタンフォード大のジェフェリー・フェファー教授、同エレノア・エモンズ・マコービー教授、ジョージワシントン大のリン・オファーマン教授、ハーバード大のデイビッド・マクレランド教授等)。

前稿と本稿では、「政治とカネ」とは、どういうことなのか、なぜ、そうしたことが起こるのか、について、「権力闘争とカネ」にフォーカスして見てみました。次回は、では、一体なにをどう変えていったら、状況が改善するのか、について考えてみたいと思います。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース