車を20年乗り続けるか乗り換えるか判断した方がいい修理、交換例
残念ながらいつまでも同じ車に乗り続けることは難しいので、いつかは乗り換えを検討する必要があります。
そこで悩みの種になるのが、長く乗った車をどのタイミングで乗り換えるかです。一度修理にお金をかけると、ズルズルと乗り換えどきを見失いがちです。
新車から10年を超えて、20年を目指す中で乗り換えを検討するべき修理や故障例についてご紹介します。
▽塩害のある地域は錆の進行度合いを目安に
降雪地帯や、海沿いでの使用で車の錆の進行が極端に早い地域の場合だと、エンジンなどのパワートレイン関係が無事でも、ボディやフレーム、足周りが錆による腐食で先にダメになってしまうことがあります。
錆の進行度や腐食の場所によっては、車検を通すことが困難になることもあります。
個人で錆による車の状態を判断することは難しいので、信頼のできる車屋さんで点検してもらいアドバイスをもらうことをおすすめします。
15年前後を目処に、錆の状態によっては乗り換えを検討したほうがよいパターンが出てくるでしょう。
▽高額修理が乗り換える判断ポイント
ほとんどの場合で修理するより新しい車を買う方が出費が多くなるかもしれませんが、それでも年数も走行距離も増えたいつまで乗れるか分からない車の修理に、いつまでもお金を掛けるのは戸惑われます。
軽自動車やコンパクトカー等の国産車であれば、1箇所の修理に「20万円〜」程度かかってしまうようであれば、乗り換えを考えるタイミングと言えるでしょう。具体的には以下のような箇所の修理が想定されます。
【エアコンの修理】
コンプレッサー、コンデンサなど複数箇所の同時交換が必要
【ATやCVTの修理】
AT/CVT本体のアッセンブリー載せ替え
【エンジン本体の修理】
オーバーヒートでエンジンのヘッドが歪む、エンジン内部でのオイル消費が多いなど
【事故修理(保険を使わない自費修理)】
フレームの修正を伴うと高額になりがち
【ハイブリッドバッテリーの交換】
ハイブリッドバッテリー関連の警告灯点灯
【EVバッテリーの交換】
セグメント低下で航続距離減
【ヘッドライトの交換】
ライトが暗くて車検に通らない
特に事故修理は、ユーザーの想像以上に高額になりがちです。
また法改正などによって今後、年数経過でくすんだヘッドライトの光度(ライトの明るさ)が足りずに車検に通らない車が増えてきます。以前はロービームで合格しなくてもハイビームで合格すればOKだった年式の車が、ロービームでのみ適合の判断を行うことになったためです。その場合、ヘッドライト本体の交換が必要となります。
近年増えてきたLEDタイプは部品代が高額になりがちなので、ヘッドライトのくすみによる車検不適合が乗り換えの検討タイミングとなってくるパターンが出てくるでしょう。
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車は工業製品ですが、同じ年数・同じ距離を走ったからといって、まったく同じ壊れ方をするわけではありません。20年以上長く乗るには、ある程度は運の要素もあるのは否めませんが、やはり基本として大切なことは日々の確実なメンテナンスです。逆にこれ無くしては、20年以上安心して乗り続けることは難しいです。
またメンテナンスをきちんと実施していても、部品は劣化し消耗します。長く乗り続けるためには、突発的に数十万円単位の修理が必要になることもあるのを理解しておきましょう。
◆整備士・ヒロ
国産ディーラー、輸入車ディーラーで勤務してきた2級自動車整備士。整備士経験は10年以上で、過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場したことも。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。
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【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!
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