車は20年乗れる!?…整備士が教える、愛車を長持ちさせるメンテナンス術

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

車の乗り換え時期の平均は、新車から乗り続けている場合で「7〜9年」と言われています。新車から数えると3〜4回目の車検時期ですが、実際にはまだまだ長く乗れるパターンが多いです。そのための注意点や必要となるメンテナンス、乗り換えるときの判断基準について、普段から低年式〜高年式の車を整備している現役の整備士がわかりやすく解説します。

車は20年以上乗ることができる

メンテナンス状況や使用環境によりますが、一般的な乗用車でも20年以上乗ることはできます。ただし、そのためのメンテナンスは必要不可欠です。

たとえば、普段からオイル交換の距離を守らない、車検は安上げで…といった具合に、愛車のメンテナンスを疎かにしていると、車が傷んでいくスピードは早く、良い状態で長く乗り続けることが困難になるのは当然です。

車の耐用年数自体は、走行距離の多い少ないによる違いは当然のこと、それだけではなく普段の保管状況やメンテナンス状況で大きく左右されます。15年、20年、またはそれ以上長く乗り続けることは可能です。

車を20年以上乗る際の留意点


車を20年以上乗り続けるためには、注意点やあらかじめ覚悟しておかなければいけないことがあります。

▽交換部品の在庫がない場合がある

長く乗り続けるほど、車が新しい頃には必要のなかった交換部品が発生します。しかし、車の部品は永久的に生産・販売されません。そのため20年以上乗り続ける場合には、交換部品が発生した際に、純正部品がすでに生産されておらず、中古部品や社外部品を使用しなければ整備・メンテナンスが困難になる場合があります。当然、中古部品や社外部品でも調達ができないパターンも出てきます。

一般的には、その車のモデルの新車生産が終了してから「10〜15年」は、メーカーからの部品供給があると言われています。これはあくまで各メーカーがそれぞれに社内で定めている自主基準なので、車種や部品によって異なります。

▽税金が高くなる

車は新車から13年を超えると、年に一度納税している「自動車税」と、車検時に納税している「自動車重量税」が重課されます。

13年は新車から数えて6回目の車検のタイミングです。

年数が経過した車は環境負荷が大きくなることから税金を重たくしているのですが、ハイブリッド車やEV車のような、一般的に環境に配慮しているとされる車は重課の対象外です。

また、自動車重量税は18年経過でさらに重課され、ディーゼル車の自動車税は11年を超えると重課されます。

自動車にかかる税金は、減税措置や法改正の絡みもあって、同じ車の同じエンジンでも購入時期によって税額が異なることがあります。

正確な税額は国交省のHPを参考にしたり、販売店などで確認することをおすすめします。

【例】
2019年10月以前に購入した、2.5Lガソリンエンジンモデルのアルファードの場合(車両重量は2,000kg超え)

<1〜12年>
自動車重量税(税額)41,000円
自動車税(税額)45,000円

<13年〜>自動車重量税(重課率)0.39/自動車税(重課率)0.15
自動車重量税(税額)57,000円
自動車税(税額)51,700円

<18年〜>自動車重量税(重課率)0.53/自動車税(重課率)0.15
自動車重量税(税額)63,000円
自動車税(税額)51,700円

▽車検費用が高くなる

すでに解説したように、車検時に納税する自動車重量税の重課や、年数経過と走行距離に応じた各部品の劣化による部品交換の発生によって、車検時の費用が高くなることに注意が必要です。中には車検に通らないので、必須で交換が必要な部品も出てくるでしょう。

その場合まだ新しい車の車検と比較して、数万円〜数十万円単位で車検費用が高くなることもあり得るので、車に15年20年…と長く乗り続けるのであれば、車検時の想定外の出費にはある程度の覚悟が必要です。

▽車を手放すときの査定額には期待しない

ほとんどの車は年数が経過し、走行距離が増えるに従って下取り・買取金額は右肩下がりです。
15年〜20年経過した車にはほとんど金額がつかないので、次の車に乗り換える時の頭金や購入資金に充てられるような査定額は出ないものと考えましょう。

最近は、誤解を招くような高い買取実績をアピールする広告なども増えているので注意が必要です。

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