都庁プロジェクションマッピング、入札停止中の「電通」関連会社が受託で根強い批判「法の抜け穴」 阪神オリ優勝パレードでも同様の事例

小森 有喜 小森 有喜

東京都庁舎の壁面で上映しているプロジェクションマッピング。都は観光面での効果を強調する一方、事業にかけている高額な費用や運営委託先が入札停止中の「電通」の関連会社であることについて、SNSでは批判が相次いでいる。

プロジェクションマッピングの上映は2月下旬から始まり、「世界最大の建築物への常設投影」としてギネス認定された。都が議会の予算特別委員会で公表した数字では、事業全体の関連予算額は2年間で約48億5千万円に上る。

都などでつくる実行委員会は映像制作などの事業主を公募し、イベント会社「電通ライブ」に委託している。電通ライブは持株会社「電通グループ」の100%出資子会社。「電通」は、東京五輪の入札談合事件により、2023年2月から2024年8月8日まで入札停止の措置を都から受けている。

電通と電通ライブとあくまで別会社であり、入札停止に関する要綱に該当せず法的な問題がないことは事実だが、SNSなどでの批判が止まない。「関連会社に仕事を委託するなら入札停止の意味がない」「法の抜け穴だ」「都の決定の経緯を明らかにすべき」といった声が上がった。

この問題を巡っては、都議会でも厳しく追求された。池川友一都議は入札に関する資料を公開するよう求めたが、都の産業労働局長は「東京プロジェクションマッピング実行委員会は、都とは別の主体」と繰り返した。池川都議は、実行委員会の事務局が同局の「観光部振興課」内にあり、「実態としては都の職員が全部やっているということ」「実行委員会を隠れみのにしているとしか言えない」と批判した。

阪神オリ優勝パレードでも同様の構図

同じような出来事は、大阪でもあった。昨年11月に開催された阪神・オリックス優勝パレードも電通ライブが企画・運営を受託。同じく、東京五輪の入札談合事件により大阪府・市が「電通」の入札資格を停止している期間中だった。

吉村洋文知事は1月の会見でこの件について認めたものの、「実行委員会において適切に判断したこと」だと強調していた。

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