パチンコ店などの新装開店や新店舗オープンの際に店頭に飾られる大きいハナワ(花輪、花環とも)。華やかで景気が良くインパクト大。ほとんどが造花で作られていますが、アーティスト石田延命所による花環は、廃材を使用しており、異彩を放ちます。
お祝いの花環を廃材で?と驚くかもしれませんが、作品はどれもカラフルで“おめでた感”にあふれ、廃材を感じさせません。石田延命所の石田真也さんに話を聞きました。
――花輪ではなく花環なんですね。
石田:廃材を使っているので、巡る意味も込めて花環としています。
――どんな廃材を使っていますか?
石田:ブイ、ピアノの鍵盤、電線、照明器具など漂着物や日常からでる廃材を使用しています。
――材料の確保は?
石田:自分で拾い集めています。最近ではものづくりをする企業さんとお仕事する機会も増え、廃材をいただいたりもしています。
――美しく見せるコツは?
石田:元々は「祭鏡」(さいきょう)というシリーズの作品でした。同じものをシンメトリーに並べる中で、微妙なズレでリズム感を出したり、他のものと組み合わせることで、廃材のポテンシャルを引き出しています。
――この作品へのこだわりを。
石田:アーティストとしてアート作品を作っていきたいのですが、美術以外のフィールドで見せることで、作品を見てもらえる入口が広がる気がします。また、お祝いごとをさせてもらえるので、私自身とても良いエネルギーをいただいています。
――どんなお客さんの声が寄せられていますか。
石田:花環を目当てにお店に来てくれるお客さんがいた、まだ看板が無かったからお店の目印になったなど、生の声を聞かせてもらうのがうれしいです。依頼者のお祝いする気持ちを届けるのは不安もありますが、やりがいを感じます。
――どんな場面で利用されるんでしょうか。
石田:お店の開店祝いが主ですが、最近ではイベントの装飾、結婚式などで利用して頂いています。基本的には一般的な花環と同じで、1週間のレンタル、設営〜撤去までさせて頂きます。オーダー制作も承っています。
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SNSからは「デカくてかっこいい!」「圧倒される」「別世界のようだ」との声が。フェスやイベントの装飾などにも人気の、石田延命所さん。現在はラフォーレ原宿B0.5にある“愛と狂気のマーケット”のウィンドウ装飾で作品を見ることができます。
処分されるはずの廃材に新たな運命を与える作品の数々。是非一度ご覧ください。
【石田真也さんプロフィル】
1984年 和歌山生まれ 2008年 大阪成蹊大学芸術学部テキスタイル学科卒業。「みえない力」をテーマに、主に廃材(不要となったもの)を素材にし、作品を制作している。国内外を問わず訪れた土地で集めた廃品や漂着物、人が不要となった物を主な素材として立体作品を制作している。
石田延命所インスタグラム
https://www.instagram.com/shinya.ishida/
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