「妻の不妊」を理由に離婚できますか? 子どもを待ち望んでいたのに…慰謝料も請求したいです【弁護士が解説】

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不妊の原因は男性側にある場合も

子どもがなかなか生まれない場合、「子どもが生まれないのは女性側に原因がある」と考えられがちですが、実際には男性側に原因がある場合や、原因がよくわからないケースもあります。医学的な不妊の原因について説明します。

▽女性に原因がある場合

女性の不妊症の原因にも、さまざまな種類があります。排卵が起こりにくい「排卵障害」や卵管がつまったり狭くなったりする「卵管因子」、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの「子宮因子」、子宮頸管を精子が通りにくい「頸管因子」、免疫の異常で精子を攻撃してしまう「免疫因子」と大きく5つに分けられます。

このうち、排卵障害と卵管の異常が原因となることが多いようです。排卵障害は月経周期が不規則で、基礎体温を測っても特徴が現れにくくなります。原因としては、ホルモンの異常のほか、精神的ストレス、過剰なダイエットも関係すると言われます。

また、クラジミア感染症によって卵管がつまったり卵管周囲が癒着したりすることによって卵管因子による不妊になることがあります。卵管周囲の癒着は、虫垂炎など骨盤周辺の手術の影響で起こることもあります。

▽男性に原因がある場合

男性側の不妊の原因としては、精子の数や運動量に問題のある「造精機能障害」や、性器が勃起しないなどの「性機能障害」、精子の通り道が詰まっている「精路通過障害」があります。多いのは造精機能障害で、女性の排卵障害と卵管因子と合わせて、不妊の三大原因と呼ばれます。

精子は、精巣で作られ精巣上体を通り抜ける間に成熟しますが、造精機能障害の人は、精巣での精子形成や精巣上体での成熟過程に問題があります。おたふく風邪による精巣炎が原因の一つとして知られていますが、多くの場合、原因は不明です。

▽原因がわからないことも

夫婦のどちらにも不妊の原因となる異常が見つからないのに、妊娠しないケースがあり、これを「機能性不妊」といいます。日本産婦人科医会によると、不妊治療のためクリニックを訪れる夫婦の10〜30%が原因不明の機能性不妊だそうです。

機能性不妊は高齢の夫婦に多くみられる傾向があり、加齢によって精子や卵子の機能が衰えたり消失したりしているのが原因の一つだと考えられています。

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