家を購入するのに、多くの人が利用する「住宅ローン」。将来の負担を軽減するために「繰り上げ返済」を行うべきか、行う場合ベストなタイミングはいつなのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。35歳男性サラリーマンのAさん(東京都在住)も住宅ローンの繰り上げ返済を検討している1人でした。
40年という長期間の住宅ローン
Aさんは、32歳でパート勤務の妻との2人暮らしです。賃貸暮らしをしていましたが、結婚して3年目を迎え注文住宅の購入を検討していました。
そんな時、ポストに「理想の家を建ててみませんか?」というチラシが入っており、有名な建築会社でもあったので話だけでも聞いてみることにしたのです。実際に建てたモデルルームを見学したり、担当者の接客を受けたりする中で、この会社で家を建ててもらおうと2人は決めました。
設計担当者と何度も打ち合わせを重ねながら、2人にとって納得のいく設計図が完成し、ついに着工が始まりました。少しずつ家が完成していく様子に2人は歓喜します。
ついに家が完成し外観や内装を確認してみると、理想通りの仕上がりになり、2人はこれからの新生活に夢を抱いていました。
ただ、ここでつきまとうのが金額です。もちろん契約時に了承した上で依頼したのですが、5,000万円もかかることに。担当者と話し合ったところ、全額住宅ローンで借り入れることができたのですが、40年という長期間のローン契約になってしまいました。
繰り上げ返済のタイミングを失ってしまった…
2人は夢のマイホームの為ならと、毎月遅れることなく返済していました。そして住宅ローンの返済を始めて2年経過したある日、仕事での昇格が決まり少し生活に余裕が持てるようになったことから、現在の貯蓄である100万円の半分である50万円を繰り上げ返済しようか検討しはじめます。
しかし、2人は「そろそろ子どもが欲しい」と考えていたこともあり、子どもが生まれた際に車の買い替えや子どもの教育費などで資金が必要になる可能性がよぎり、貯蓄を崩しての繰り上げ返済に踏み切ることができませんでした。
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Aさんの事例をふまえて、住宅ローンの繰り上げ返済について、FPの鳥居佳織さんに聞いてみました。