住宅を購入する時に、近隣トラブルや騒音問題など多くのトラブルが予想されると思います。そういった問題は何度も内覧をしたり、周辺を調査してみるなどして、ある程度リスクを判断できるかもしれません。しかし、中には予想することが難しいトラブルが隠されていることもあるようです。
注文住宅での家探し
Tさん（30代女性、関西地方在住、専業主婦）は、夫（40代、自動車ディーラー勤務）と子ども2人（3歳、5歳）の4人暮らしです。
賃貸マンションに住んでいましたが、子どもが大きくなってきたこともあり、新しい住まいを探すことになりました。
Tさんは都心よりも、のどかな雰囲気の方が好きなので、郊外で土地を購入して注文住宅を建てることにしました。
希望エリアで土地探しを始めたところ、多くの土地は建築条件付きで販売されていました。その土地を販売している住宅メーカーで家を立てなければいけないというものです。Tさんは特に住宅メーカーにこだわりがあったわけではないので、土地優先で探しました。
いくつか見たうちの一つの土地が、自然も豊かで雰囲気も良く、庭を大きく作れる広さがありました。まさに理想としていた土地でした。夫も気に入ってくれたので、土地を販売していた住宅メーカーに話を聞きに行きました。
家づくりも、特に問題なく、総額で予算内の4000万円で購入に進むことにしました。
その際に「軟弱地盤なので、地盤を改良する工事が必要」と言われました。100万円ほど追加で費用がかかるのは痛かったですが、これ以上良い土地も見つからないと思い承諾しました。
その後は、インテリアまで楽しく打ち合わせが進んでいき、家が完成するまではあっという間に感じました。
気がつくと、庭から湧き水が
入居してしばらく経った雨の日の翌日。買い物に行こうと外に出たところ庭の隅からふつふつと「湧き水」が出ていることに気づきました。最初は「雨が降った後だからこういった事もあるのかも」くらいで気に留めませんでしたが、雨が止んでからしばらくしても乾くことはなく水溜りができたままでした。
湧水は泥水ではなく、庭に川ができるほどの水量はないものの、晴れの日でも水溜りができてぬかるんだままになってしまったため、これはさすがに良くない事だと思い、住宅メーカーに連絡をして対策をしてもらいました。内容としては、無償で湧水の排水工事と外構工事をしてくれるとのことでした。
すぐに気づいて対応してくれたのでまだ良かったのですが、これから、カーポートの設置などを違う業者に頼んでいたので、そのまま進めていたら、湧水に気づかず大変なことになっていたかもしれません。
地盤改良工事や基礎工事に立ち会うことがなかったため、地盤改良工事をした時から湧水があったのかを知る余地はありませんでした。住宅のメーカーには「湧水の存在は知っていたのか」と何度も聞きましたが、「知らなかった」の一点張りでした。正直気づいていたのではないかと疑ってなりません。
家を建ててもらった以上、今後も修理などでお願いするつもりでいましたが、信用することができなくなってしまったので、今後お付き合いできる業者の方を探している最中です。
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こういった問題は良くある事なのでしょうか？アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。
地盤が安定している地域を選ぶことが大事
ーー湧水は不動産を購入する前に気づくことは可能なのでしょうか？
正直、一般の人が見学したり書類を見たりしただけでは判断するのは難しいと思います。今回のケースのように住宅メーカー側が本当に知らなかったということであれば、より困難でしょう。無償で工事してくれたのが幸いですね。
ーー湧水が出る確率を減らすことはできるものなのでしょうか？
湧水が住んでから発覚するなんてことは、住宅を販売していて絶対あってはいけないと思います。しかし湧水が出るかどうかは今回のようにわからないこともあるため、どちらかというと、地盤が安定している地域を選ぶことが大事ですね。今回のように軟弱地盤だと、少し警戒をした方が良いかもしれません。
◆川本麻登（かわもと・あさと）アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーターhttps://alphahomenagoya.jp/
