どうか「最期」まで側にいてあげて
「友人がしぴをいらないと言った次の日、トンキニーズという種類の猫を欲しがったため、もうしぴは愛されないのだと悟り、想定外の治療費などには考えが及ばないまま、とにかくこの子を保護しなければ!という気持ちで保護しました。なので、しぴを迎えるにあたって想定していた範囲は、とっくに超えています……。
私と同じ葛藤を抱えている飼い主さんは、きっとたくさんいらっしゃると思います。どうにかしてあげたい気持ちと、現実が追いつかない場合もあると思います。でも、どうか自分を責めずに最期までそばにいてあげてほしいです」(しぴこめさん)
「命」を最期まで守る責任と覚悟、できますか?
今回の投稿に対して、しぴこめさんと同じく、猫や犬、インコなどのペットの治療費に数十万から数百万円かかった、という体験談も多く寄せられました。
現在、飼い主のしぴこめさんはしぴちゃんに対して、定期的な通院に加え、自宅での皮下補液と投薬、腎臓サポートの療法食の給餌を行なっています。1人暮らしのしぴこめさんにとって、お勤めをしながらの看病は並大抵のことではありません。治療費のためにも仕事を頑張り、自身の体調が悪くても、猫たちの世話をしなければならないのが現実です。
「自分が生活するだけのお金があれば猫(その他動物も)を飼えるわけではなく、ペットと暮らしていると、予想もしない出費が発生することが多々あります。人間なら、ちょっとの風邪では病院に行かないとか、食欲がないから食べない、といったことを自分で選択する自由があります。でもそれを動物に強いるのは酷です。動物と暮らすという選択をする時は、迎えたペットの命を守れるのは自分だけなのだと思って、自分の子供と同じように最期まで愛せるか?を、自分の心に問いかけてから決断してほしいです」(しぴこめさん)
生活面でも金銭面でも「ペット中心」に
ペットと暮らすことは、「子ども」を育てるのと変わらないほど「大変」です。金銭面はもちろん、長時間の留守や長期の旅行は難しくなり、転居や転勤の際はペットとの同居が可能な物件が必須になるなど、制限されることが増え、「ペット中心」の生活へと大きく変化します。
ペットを迎える際には、そういった生活の変化に対する覚悟と、最期までその命を預かり守る責任を持つことが必要です。
しかし、保健所や保護施設、里親サイトなどには、飼い主たちの身勝手な都合を理由に、安易に飼育を放棄されるペットたちが後を絶たないのが現実です。