ご存知ですか?クルマの「A/C」ボタンの意味 夏場だけでなく、冬場にも活躍…ただ、燃費が悪くなるから上手に使って

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

カーエアコンに「A/C」と書かれたボタンがありますが、どのような機能があるがご存知でしょうか。このボタンは夏場に車内を冷却したい時だけでなく、冬場でもガラスの曇りを防止する際などに活躍します。ただ、燃費への影響もあるので、上手に使いたいものです。

「A/C」の意味

A/Cは「Air Conditioning」の略で、いわゆるエアコンのON/OFFボタンです。ただし家庭用エアコンと車のエアコンでは機能が異なります。

家庭用エアコンは冷房・暖房・除湿の3つの機能を有していますが、車(電気自動車を除く)のA/Cボタンは実質的に冷却(冷房)と除湿の機能しかありません。

▽コンプレッサーのON/OFFボタン

車のA/Cボタンの具体的な役割は、エンジンルームにある「コンプレッサー」という機械を稼働させることです。

コンプレッサーは空気の冷却や除湿に必要な機械です。空調を付けていても、A/CボタンをONにしなければ冷風が出てこず、除湿もあまりできないので注意しましょう。

▽温風はエンジンを熱源に作られている

では「車に暖房機能はないのか」と言われると、そういう訳ではありません。エンジンを搭載している車は、走行中に発生するエンジンの熱を利用して暖房用の温風を作っています。そのため車を少し走らせれば、A/Cボタンにかかわらず、温風を出すことができます。

※なお、電気自動車の場合は、エンジンのような熱源がないため、別に電気を使った暖房が用意されています。

A/Cボタンを使うべきタイミングとは

ここでは、目的に応じたA/CボタンのON/OFFのタイミングを解説します。

▽車内を冷やしたい時は「ON」

車内の空気を冷やしたい時は、コンプレッサーを稼働させて冷風を作る必要があります。そのためA/CボタンをONにしましょう。

▽車内を暖めたい時は「OFF」

コンプレッサーを使わなくても、温風はエンジン熱を利用して作られているので、A/CボタンをONにする必要はありません。

なお車内温度が空調の設定温度より低い場合は、A/CボタンをONにしていても車側で温風と冷風の量を調節し、温風を多く出します。しかしコンプレッサーの稼働により車の燃費が悪くなるので、車内を暖めることだけが目的ならば、A/CボタンはOFFにするのがおすすめです。

▽窓ガラスの曇りを取りたい時は「ON」

冬であっても「窓ガラスが曇っているので見やすくしたい」という場合は、A/CボタンをONにしましょう。

車内と車外の温度差が大きいと、車内に結露が発生します。コンプレッサーを稼働させて除湿すれば、結露を防止できます。

A/Cボタンの燃費への影響

冷却や除湿を行うコンプレッサーは、車のエンジンを動力源としています。そのためA/CボタンをONにするとエンジンに負荷がかかり、燃費も悪くなります。

▽夏場の稼働では10~20%燃費が低下

夏の冷房目的でA/CボタンをONにすると、燃費は概ね10%、消費が激しい場合は20%近くも悪くなってしまいます。特に、夏の炎天下に晒された車は車内温度が50度以上になることもあり、こうした環境ではエンジンに著しい負荷がかかります。

少しでもエンジンへの負荷を軽減するため、利用時は先に車内の熱気を外に出してからエアコンをかけましょう。

▽冬でも付ければ燃費が低下

冬であってもA/CボタンをONにすればコンプレッサーが稼働し、燃費が低下してしまいます。ガラスの曇りを取り除きたい場合はA/CボタンをONにしなければいけませんが、ただ車内を暖めるだけであれば、A/CボタンをOFFにしておきましょう。

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