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【騙されないで!】災害時に屋根修理の詐欺、その手口が巧妙すぎる「地震・台風後は多発するよな」「向こうから声を掛けた業者とは契約するな」

東寺 月子 東寺 月子

訪問営業が来たら、まずは疑え!

「屋根修理に関しては、“訪問営業”されたらまず怪しんでください。もともと職人不足な業界のうえ災害後はさらに職人たちが多忙となるので、訪問営業するような余裕はないです。あとは下記のような点をチェックしてみてください」

・車が社用車ではなく、県外ナンバー
・方言が通じない、土地勘がない
・身なりがラフ、受け答えの対応が適当な印象
・名刺、見積書をくれない

ーーちょっと良心が痛みますけど、まずは疑うことが大事なんですね。でも高齢者や気の弱い人は押し切られそう

「まずは、屋根に上らせないことです。そして、その場で修理依頼を即決せず、最初に見積書をもらうべきです。女性や高齢者お一人の所を狙ってくる事が多いので、たとえ一人でお住まいだとしても、『家族と相談しないと決められないから、 名刺と見積書をください』 と言って断ってください。実際、 この時もらった名刺から詐欺業者の逮捕につながった… という事例も聞いた事があります。『付き合いのある業者にもう頼んでいます』と、知っている工事店があれば実際に社名を出すのも有効です」

ーー屋根や瓦にまつわる、よくある詐欺手口はどんなものがありますか?

「前述のブルーシート詐欺のほか、屋根修理費用が相場より桁外れに高額で、通常修繕費の数倍も請求されるなどもよくあります。あとは……する必要のない修理や、適切でない修理をされてしまうことも。例えば、下記のような事例です」

・ラバーロック工法で瓦同士の隙間を埋める(これは雨漏りに繋がる場合があり、必ずしも適切な工事ではない)
・棟がズレてもいないのに、セメントや漆喰を塗る
・保険金詐欺。火災保険が使えると言い、被害以上の見積りを作成し、受理した保険金から手数料を倍とる

適切な業者は、こうして選ぼう

ーーでは、通常の修理の場合はどんな手順を踏むものでしょう? 適切な業者を選ぶコツはありますか?

「通常ですと、下記のような手順となります」

①点検・修理の依頼:電話・HPからの問い合わせ
②現場調査:実際に業者が現地へ赴いて確認
③内容説明:修繕すべき箇所を依頼者に説明
④見積り:修理内容の見積書を作成
⑤施工依頼:依頼主が見積もりを確認後、施工を依頼する
⑥工事の段取り:工事スケジュールを決めて業者から連絡
⑦施工開始

「災害後、急ぐ気持ちも分かるのですが、原因や修理方法など、内容の説明をきちんとしてくれる業者をおすすめいたします。

そして、修理の相談ができるところを知らない・分からない場合、 全日本瓦工事業連盟のHPからお近くの加盟店を検索する事ができます。連絡先だけでなく、資格の有無なども掲載されており、 適正価格・安心施工の屋根工事業者が加盟しているので、参考にされると良いと思います」

全日本瓦工事業連盟HP
https://www.yane.or.jp/

瓦屋根を誤解しないで欲しい

ーーほかにも、屋根について皆さんに知ってもらいたいことはありますか?

「大きな地震があるたび、瓦屋根の住宅が倒壊している所が映され、『倒壊したのは瓦が原因』『瓦が重いから建物がつぶれる』といった間違ったイメージが広がり、瓦業界は度々風評被害にあっております。昨年3月には、 石川県最大手の瓦メーカーが廃業され、 瓦業界全体としてもショックな出来事でございました。

地震による屋根被害は瓦が原因ではなく、古い施工方法の住宅に多く起こり、耐震基準を満たしていない躯体の建物で倒壊が見られます。逆に言うと、瓦屋根であっても耐震基準を満たした建物は被害も少ないです。品質の良い瓦は、一枚から交換できて、長い目で見るとメンテナンスコストが低いんです。また、断熱性や遮音性、耐火性などもありメリットも多いので、どうか、瓦のことを嫌いにならないで欲しいと願っています」

筆者も事務所家屋屋根が数年前の台風で破損し、葺き替えが必要となりました。その際、悩んだ末に一部を瓦、一部をトタンにして屋根修繕を行いましたが、瓦屋根の家屋のほうが夏は涼しく、やっぱり優秀だと実感。瓦文化は今後も日本に残っていってほしいと強く感じました。

そして、屋根の修理をするときは適切な業者に頼んで、詐欺に遭わないようにしてください!

【丸三安田瓦工業】
日本最北端の安田瓦メーカー。瓦製造に加えて、屋根工事も行っています。雪国仕様でつくられている安田瓦はとても丈夫で、「安田瓦は100年瓦」 と言われるほど寿命が長いことで知られています。今回の能登半島地震は翌日より現地調査へ赴き復旧作業に当たるなど、瓦を愛する会社です。

https://www.marumikawara.com
https://twitter.com/marumikawara

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