「文系を選択した理由」は「理系科目が苦手だったから」が最多 教科への「苦手意識」が“文理選択”に大きく影響

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スタディプラス株式会社(東京都千代田区) の『Studyplusトレンド研究所』は、全国の高校生・浪人生・大学1~2年生の男女5150人を対象に「文理選択と学部・学問の系統」について調査を実施しました。その結果、「理系科目への苦手意識が、文理選択に大きな影響」を及ぼしていることが分かりました。

調査は、同社が運営する学習管理アプリ『Studyplus』ユーザーの高校1年生(1278人)、高校2年生(1433人)、高校3年生(1887人)、浪人生(213人)、大学1年生(252人)、大学2年生(87人)の計5150人を対象として2023年11月にインターネットで実施されました。なお、文理分類は文系が2391人、理系が2644人、その他が115人となっています。

まず、「文理選択の理由」について、系統に対するポジティブ・ネガティブの割合を算出・分析した結果、理系は「文系に対する後ろ向きな理由」が10.2%であるのに対して、文系は「理系に対する後ろ向きな理由」が36.0%と、文系のほうがネガティブな進学決定理由が多い結果となりました。

さらに、回答理由をジャンル付けしたところ、理系生徒は「文系の勉強が苦手」が10.6%であるのに対して、文系生徒では「理系に対する後ろ向きな理由」が37.4%となり、27ptもの差がみられたことから「理系への苦手意識」は文理選択に大きな影響を与えていることがうかがえました。

次に、「もっとも苦手・嫌いな教科」と「その教科が苦手・嫌いになった時期」を教えてもらったところ、「英語」(小学生12.2%・中学生57.1%)、「国語」(小学生37.9%・中学生38.1%)、「社会」(小学生36.5%・中学生39.4%)、「数学」(小学生36.9%・中学生37.3%)となっており、英語・国語・社会・数学は、約7割が小中学生時点で苦手を自覚する傾向が見られました。

また、英語、理系科目は高校1年生で苦手を自覚する割合も高く、理科は4割以上・数学は2割以上が高校生になってから苦手を自覚しています。

さらに、「もっとも苦手・嫌いな教科」と「その教科が苦手・嫌いになった理由」についての回答をジャンル分けして分析したところ、英語と国語は「難しい・できないから」(英語39.4%・国語34.2%)、社会は「暗記が苦手」(22.4%)が最多となったほか、理系科目では、文系科目以上に「難しい・できないから」(数学48.9%・理科45.5%)の回答率が高くなっています。

また、数学では「計算が苦手」「計算することの意味や数字の羅列が苦手」「高校の授業スピードが早くて理解できないまま次の単元に進んでしまい、混乱が積み重なっていった」など、「計算」に躓き、できない体験が積み重なり苦手になる傾向がうかがえました。

理科では、「化学の分子量などの計算方法が理解できない」「化学式や元素が覚えられず難しいと感じた」「物理の目に見えないものを考えることが難しいと感じた」「物理が大嫌い。公式を覚えても何も出来ないから」など、高校で細分化された「化学」「物理」に躓く傾向がみられました。

他方、「もっとも得意・好きな教科」と「その教科が得意・好きになった時期」を教えてもらったところ、全ての教科で7~8割が小中学生時点で得意・好きを自覚しているほか、理系科目では高校1年生で得意・好きを自覚する割合(数学15.2%・理科11.4%)が比較的高くなっています。

さらに、「もっとも得意・好きな教科」と「その教科が得意・好きになった理由」についての回答をジャンル分けして分析したところ、英語は「習い事・塾の影響」(12.3%)、国語は「読書が好き」(23.5%)、社会は「教師や授業の影響」(15.2%)といった回答が特徴的にみられ、数学は「答えが明確」(8.5%)、理科では「教師や授業の影響」(12.1%)などの回答のほか、「楽しい・面白い」(数学35.5%・理科43.6%)といった回答割合が文系科目よりも高くなっていました。

また、数学では「学校の先生の教え方がうまく、解けるようになった」「教え方が上手くていつも優しい」「問題が解けると楽しいし、解けないときもなぜ間違えたのか納得できる理由があることが多いから」など、先生の指導によって教科への理解が増したことや、「解ける」実感を持てたことから数学を得意・好きになる傾向がうかがえました。

理科では、「教えてくれた先生がすごく楽しそうに授業してたから」「有機化学がパズルみたいで楽しい」など、数学同様に「解ける」楽しみも一定数あるものの、学ぶこと自体の面白さが好みに繋がっています。

最後に、「進学予定の(実際に進学した)学部・学問の系統を決めた理由」の回答をジャンル分けして分析した結果、工学・理工学系、理学(物理・数学・化学等)系、農・生命・環境系は「学びたいこと・興味・関心」(工学・理工学系43.9%、理学系44.8%、農・生命・環境系46.7%)が最多に。他方、医学系、看護系、薬学系は「夢や目標・就きたい職業」(医学系67.2%、看護系66.6%、薬学系35.9%)が最多となりました。

理系の学部・学問系統への進学理由としては、工学・理工学系、農・生命・環境系は「映画『ジュラッシックパーク』を見て恐竜が好きになったから」「企業の博覧会で半導体の構造に興味を持った」など、日常での体験が挙げられました。

また、理学(物理・数学・化学等)系では「数学の未解決問題の概要を理解したかった」、農・生命・環境系は「生物が好きで興味がある」、医学系、看護系、薬学系、医療技術・リハビリ系では「テレビで医師の特集を見て興味を持った」など、メディアを通じて知った職業の憧れといった理由が挙げられていました。

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