接待交際費、全国で一番使っているのは? 全国で1人・月平均1万8千円、関西以西の企業は2万円超えも

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

企業における社外との交流活動が活発化しているといいます。株式会社帝国データバンク(東京都港区)が、このほど発表した「全国企業『交際費支出』動向調査(2022年度)」によると、社員1人あたりの1カ月における交際費の平均は推計で「1万8192円/月」となり、2021年度から2割超の大幅増加となりました。また、社員1人あたりの交際費支出が最も多い業種は「不動産業」(5万9515円/月)、本社所在地で都道府県別にみると、社員1人当たり交際費が最も高いのは「大阪府」となりました。

調査は、各年度(4~3月期)における接待交際費、および期末時点の従業員数が判明した企業を対象に、2022年度における「接待交際費(交際費)」の支出動向が判明した企業約15万社・500万人分の月間・1人当たりの交際費を推計したといいます。なお、「金融機関」「公的機関」は集計の対象外としています。

調査の結果、「社員1人あたりの1カ月における交際費の平均(トリム10%)」は、推計で「1万8192円」となり、2021年度から2割超の大幅増加となりました。

交際費には贈答品などを含むため、すべてが飲食代として計上されたものではないものの、1人あたり5000円分の飲食代を「交際費」として経費処理したと仮定した場合、月間で社員1人あたり3.6人分の飲食需要が発生した計算になります。

過去10年での最高額は、2019年度の「2万3383円/月」、コロナ禍で行動制限を受けた2021年度は過去10年で最少となる「1万6653円/月」となりました。なお、2023年11月までのデータを集計すると、1人あたり交際費平均は「約1万8400円」前後で推移しており、2019年度の9割前後まで回復する可能性があるといいます。

また、社員1人あたりの支出額別では、「5千円未満」(24.7%)が最多に。全体では、月1万円未満の合計が50.9%と多い一方で、「2万円未満」(17.6%)など1万円以上の支出がある企業も多く、交際費の支出は二分された状況となっています。

さらに、業種別にみると、2022年度における社員1人あたりの交際費が最も高いのは「不動産業」(5万9515円/月)となり、管理会社や協力先となる建設企業など、人的な交流範囲が多岐にわたることが要因とみられるといいます。

ほか、「職別工事業」(2万9000円/月)、自動車ディーラーを含む「自動車・自転車小売」(2万3707円/月)など、1人あたり1カ月の交際費が2万円を超えたのは8業種に上りました。

最後に、都道府県別(本社所在地)では、社員1人あたりの交際費が最多なのは「大阪府」で、2022年度は「2万8324円/月」でした。ほか、「奈良県」(2万5366円/月)、「福岡県」(2万3732円/月)と、関西以西の企業で交際費を多く支出する傾向が目立ちました。

取引先や仕入先などへのもてなしや接待などで経費扱いが認められる「交際費特例」について国税庁は、1人あたり飲食代の金額基準が5000円から1万円に引き上げられる方針を明らかにしていることについて同社は、「現行制度に比べて飲食代の『非課税枠』は倍増し、取引先との飲食・贈答といった企業交流の増加や活性化による、売上高拡大への効果などが期待できる」とコメント。

その一方で、「リモートワークの普及に加え、対面営業を必要としない場面も増え、交際費の増減が営業収益に直結しない企業もある。相次ぐ物価高や価格転嫁難などで収益の確保が見通しづらいなか、大企業や業績の伸び悩む企業では『経費扱い』での飲食奨励に慎重姿勢を崩さないケースも考えられる」とも述べています。

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