大阪市消防局は7月1日から、救急隊員がコンビニエンスストアや搬送先医療機関内の売店を利用すると発表しました。出動要請の合間に、水分補給や飲食物の購入、トイレ利用などができるようになります。
同消防局では救急要請が年々増加。連続する出場や長時間の救急活動のため、救急隊員は消防署に戻ることができず、休憩時間が確保できない状況が発生していました。
救急車を駐車する際は、事件や事故と勘違いされないための配慮も。コンビニの駐車場ではフロントガラスなどの見やすい場所に、「ただ今コンビニエンスストア・病院内売店を利用中です 救急出場要請があれば、直ちに出場します 水分補給・食事摂取にご理解をお願いします」と書かれたパネルを表示。周囲の住民らに理解を求めます。
同消防局では公式Xやユーチューブチャンネルなどを通じて告知を行なっており、動画を見たネットユーザーからは「救急隊員も人間です」「堂々と使って」「当たり前。理解を求めなくてもいい」などの反応が。中には、「いつもありがとうございます」「もし店内で見かけたら『いつもおつかれさまです』と伝えたい」など、隊員らを労う声も寄せられています。
今回の取り組みには日本フランチャイズチェーン協会が協力。救急隊員が利用する店舗は、同協会加盟の大阪市内のコンビニエンスストア(セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、ローソンなど)と、搬送先医療機関内の売店の予定です。
同消防局によると、令和5年の救急出場件数は263089件(昨年比約8%増)と過去最多を更新。およそ2分に1件出動している計算になります。1日あたりの最多救急出場件数は982件。1つの救急活動に12時間26分かかった例もありました。
救急隊員のコンビニ利用については、名古屋市、さいたま市、相模原市、札幌市、奈良市などでもすでに認められています。