ケチってはいけなかった数万円…過酷な引っ越し作業をする羽目に 新築マンション「追加オプション」めぐる後悔

中瀬 えみ 中瀬 えみ

完成前に契約、壁紙やキッチン、照明などの設備をセレクトできるのが新築マンションのうれしいポイントのひとつ。セレクトだけでなく、有償オプションでさらにグレードアップもできます。しかし、選んでいるうちについつい気が大きくなって、予算をオーバーしてしまったり…といった“後悔話”もよく聞きます。ありがちな反省点以外にも、こんな失敗談が集まりました。

いくらなのか…見ればわかる?全部知ってる!

Aさん(関東在住、30代、主婦)夫婦はお子さんの小学校入学に合わせて、通学や習い事、将来の塾も見越して今お住まいのマンション購入を決定。幸い、マンションの購入資金の半額ほどを両家の親世帯が資金援助してくれることになったおかげで、ローンの金額も無理のない範囲にすることができました。

その余裕もあり、床暖房やハンズフリーキー、大型食洗器や造り付けの食器棚など、比較的高額でしたが便利なオプションをいくつか契約することにしました。入居後実際に住んでからも「つけて良かった」と大満足だったそうなのですが…。

入居後お子さん同士が幼稚園で仲良しなことがわかった、同じマンションの別フロアに住むママ友を自宅に招待したときのこと。

「え、上階ですごいなって思ってたけどオプションもすごい。全部最上級グレードにかえているんじゃない?」「やだ、そんなにお金あるんだ。…わあ、これなんか50万円位してたのに!」…などと、次から次へと言われてげんなりしてしまったAさん。

「同じマンションに住んでいるということは、同じオプションリストを見ているということですよね。もちろん物件価格も…。収入を勝手に推測されたりするのは、ストレスでした」と、Aさん。「マンション住人を自宅にお招きするのは、相手のタイプをよく知ってからのほうがいいですよ。下世話なタイプじゃないかどうかよく考えて……」とぐったりしながら話していました。

じっくり検討というより、流れ作業で選択

壁紙の種類に床材、キッチンの天板の素材やお風呂と洗面台のカラーリングまで、とにかくインテリアの選択肢が豊富なことが「売り」のひとつだったマンションを購入したBさん(関東在住、40代、派遣スタッフ)夫婦。基本パッケージからほんの少しの差額程度で選べるオプションも豊富で、壁紙や床材見本をチェックできるオプション会を楽しみにしていたそうです。

ところが実際のオプション会では、入居世帯数の割に開催日数が少なく、サンプルも1組ずつしか置いていないため、じっくり検討というよりは「流れ作業」で進んでしまい、結果として入居後「なんだかイメージしていたのと違う…」と思ってしまった部分がたくさんあったそうです。

とはいえ全部自分たちが選んだもので、文句のつけようもありません。「プロのインテリアコーディネーターさんに同行してもらえばよかった…」とBさんは今も後悔されています。

担当のコーディネーターさんとことごとくセンスが合わない

Cさん(関東在住、40代、会社員)は大のインテリア好き。賃貸ではなくマイホームが欲しい、とマンションを購入しました。何冊もインテリアの本を買い、ピンタレストで好みの画像を保存しては、憧れの部屋を想像しながら購入したマンションが完成するのを楽しみにしていたそうです。

オプション会では相談しながら受注をとりまとめるインテリアコーディネーターが担当につくと聞き、プロの意見が聞けると楽しみにしていたCさん。しかし、当日初めて会ったコーディネーターさんとの相性は最悪。まず見た目の印象が「私はこんな服絶対着ない」と不安を感じたところから始まり、いくつも写真を見せながら「好み」を説明しているのに、全くそれに合わないセレクトを勧められるばかり…。

「資格があるとか、そういうことよりも相手の要望にどう応えるかってことに配慮できない人だと疲れます。家の購入って思い入れが他の買い物と違うので、その点センスが合わないなと思ったら、別の日に出直すくらいの勢いがいいと思いますよ!」とCさんは今でも悔しく思っています。

灼熱の中の引っ越し作業

Dさん(関西在住、30代、主婦)夫婦が購入したマンションは完成予想が夏頃でした。オプション受注会で営業担当者に「もしも今お住まいの家から持ち込む予定がなければ、夏ですから入居日にエアコンがついていた方がいいですよ。家電屋さんで買うよりちょっと高くなりますが、入居日に確実に取り付けられていますし。」と言われたDさん。しかし、ネット検索をするとやはり金額的に大きな差に感じて断りました。

しかし、エアコンの取り付けをしなかったことをDさんは初っ端から後悔することに。一斉入居の引っ越し日は暑くてとても作業する気になりませんでした。いざ家電量販店にエアコンを頼もうとしたところ、シーズン外に検索していたよりも夏本番の今は、オプションとの金額差は小さくなっていました。しかも取り付け工事が混み合っていて、実際に部屋に付いたのは、購入してから1週間先になってしまいました。

「何であの時、数万円をケチっちゃったんだろう……これがなきゃ生活できない!っていうアイテムは確実に手配できるのを選んだ方がいいですよ」とDさんは周りの人にアドバイスしているそうです。

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