「日本人観光客が戻ってこない」台湾で話題に かつては「物価が安い」→今は「魅力がない?」

Coco Coco

 2020年から続いたコロナ禍。2023年に入り、世界中で以前のように自由に旅行できる環境が戻ってきました。筆者はこの秋、台湾からフランスへ行き、ラグビーワールドカップを観戦しましたが、日本戦が行われる街では試合前日から日本人だらけでした。ではコロナ前、日本人の旅行先として人気の場所の一つだった台湾は、2023年10月現在はどうなっているのでしょうか。

「安い台湾」ではなくなった?

 2019年の台湾への日本人観光客は約112万5000人。当時はタピオカが爆発的に流行っており、まさに「台湾ブーム」だったと言えるでしょう。東京から3時間ほどで行けるため2泊3日のような短い日程で訪れることができ、そして日本に比べて物価が安く、治安の良さなどが人気の理由でした。

 ところが2023年の数字を見てみると、1~7月までの日本人旅行者は約39万5000人。2019年の35%ほどです。世界各地からの旅行者は2019年は約696万6000人。今年の7月までは約323万2000人で4年前の46%となっており、台湾への観光客の数が全体的に減少しているのが見受けられます。ちなみに香港、マカオ、その他東南アジア、韓国、そして欧米からの渡航者数はコロナ前の50%以上まで回復しています。

 ではなぜ特に日本からの旅行者が回復しないのでしょうか。

  一番に考えられる理由は円安です。2019年は1元が3.6円ほどだったのに対し、2023年10月現在は4.6円。以前は1万円札を両替すると2800元だったのが、今では2200元以下となりかなり差があります。

 そして、台湾の物価の上昇。欧米ほどではないにしろ台湾もコロナ後確実に物価が上がっています。台湾国内でも話題になっているのが、台北のホテルの価格。以前は一泊1万円以下でビジネスホテルに泊まる事ができましたが、2023年12月の価格を見ると1万2千円以上、五つ星ホテルとなると4~5万円ほどになっています。そして食べ物も値上げ傾向にあります。

 例えばコロナ前は台湾系チェーンのコーヒーショップのカフェラテ大サイズ(約500ml)が70元ほどだったのが、今では90~100元に。円安の今、100元のコーヒーは460円で日本とあまり変わらない値段になっており、以前のように「安い台湾」ではなくなってきています。

「魅力がない」台湾国内でも話題に

 あわせて、台湾国内で話題になっているのが「魅力がない台湾」。台湾旅行に一度来て、台北で故宮博物館、九份、その他の有名観光地に一度行ってしまうと2回目は他の都市となりますが、違う都市へ行っても似たような町並みや食べ物で特に魅力がない。

 そして台北市以外ではMRT(地下鉄)がそこまで発展しておらず、地元の人は自家用車やバイクで移動しますが観光客はタクシーに頼らないといけなかったり、自然が作り出した絶景が拝めるタロコ国立公園で有名な花蓮へ行く電車のチケットが自由旅行では取りにくいなど、交通の問題も指摘されています。

台湾在住11年目…オススメのスポットとは?

 そんな厳しい状況の台湾ですが、台湾移住11年目の筆者がおすすめするのが台湾の離島です。

 台湾には澎湖島、小琉球、緑島などたくさんの海がきれいな離島があります。沖縄よりも南に位置するため11月頃まで暖かく、海が好きな方におすすめしたい場所です。

 特に、海亀の島として知られている小琉球は高雄からのアクセスがよく、スノーケルやダイビングに最適。台湾の離島で海遊びーーそんな旅行はいかがでしょうか。航空券も少しずつですが値段が下がりつつあるので、来年はもっと日本人観光客が増えることを願っています。

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