何かと注目を集める「マイナンバーカード」ですが、日常的に持ち歩く人はどのくらいいるのでしょうか。全国の10~70代の全国の男女487人を対象に「マイナンバーカードなど各種証明書類」に関する実態調査を実施したところ、「身分証明書としてマイナンバーカードを持ち歩いている」と答えた人は4割弱となりました。一方、盗難や紛失があった際に最も悪用リスクなどの不安を感じる身分証明書類は、「マイナンバーカード」が最多となったそうです。
Digital Platformer株式会社 (東京都千代田区)が、2023年8月にインターネットで実施した調査です。
まず、「身分証明書として最も用いることが多い証明書類」を聞いたところ、74.7%の人が「運転免許証」と回答。以下、「マイナンバーカード」(14.6%)、「健康保険証」(8.0%)と続きました。
さらに、「所有している証明書類」を複数回答で答えてもらったところ、1位「健康保険証」(91.2%)、2位「運転免許証」(84.0%)、3位「マイナンバーカード」(81.1%)という結果に。
一方、「普段持ち歩いている証明書類」についても同様に答えてもらったところ、1位「運転免許証」(82.3%)、2位「健康保険証」(66.5%)、3位「マイナンバーカード」(39.8%)となり、マイナンバーカードを所持している人の半数近くが持ち歩いていないことが分かりました。
続けて、マイナンバーカードを持ち歩かない理由として考えられる「盗難や紛失による悪用リスク」について、「不安を感じる身分証明書類」を聞いたところ、「運転免許証」(16.8%)や「健康保険証」(11.7%)などが低くなったのに対して、「マイナンバーカード」(61.0%)がダントツで最多となりました。
「マイナンバーカードに悪用リスクを感じる理由」について回答者からは以下のような意見が寄せられています。
▽勝手になりすましや、キャッシングをされそう(30代男性)
▽預金口座と紐づけられていて個人情報が一番盛り込まれていそうだから(50代女性)
▽ICチップが埋め込まれていることもあり、運転免許証よりも汎用性が高そうだから(20代男性)
▽他の証明書に比べて何重にも個人情報が紐づけられ、さらに現在不明瞭で不安定な管理状態にあるため(30代女性)
また、「最もセキュリティに不安を感じる身分証明書類」についても、「健康保険証」(7.4%)や「運転免許証」(4.3%)がいずれも1割にも満たなかったのに対して、「マイナンバーカード」(81.9%)は8割超と他を圧倒。
「マイナンバーカードに対してセキュリティ上の不安を感じる理由」について回答者からは以下のような意見が寄せられました。
▽トラブルが多く報告されているから(20代女性)
▽マイナンバーは漏れたらだめという認識が強いため(40代男性)
▽ニュースでいろいろと情報漏洩が見られたり、サービス連携が取れていなかったりと不安しかない(50代女性)
▽さまざまな機能をどんどん盛り込んでいっているので、パスワード等があってもおおもとのセキュリティの不安はある(20代女性)
次に、「各身分証明書類がスマートフォンで使えるようになった場合の利用意向」を聞いたところ、「とても利用したい」「やや利用したい」を合計した割合が高い順に「健康保険証」(61.0%)、「運転免許証」(50.0%)、「学生証・社員証」(49.0%)となった一方で、「マイナンバーカード」は39.0%で最下位となりました。
反対に、「あまり利用したくない」「全く利用したくない」の合計で見ると、「マイナンバーカード」は43.0%で1位となり、スマートフォンで使うにはまだ不十分な体制だと思われていることが浮き彫りになりました。
さらに、「各身分証明書類がスマートフォンで使えるようになった際のセキュリティへの不安」について、「とても不安に感じる」「やや不安に感じる」を合計した割合が最も高いのは「マイナンバーカード」で71.1%となりました。次いで「パスポート」(58.7%)、「健康保険証」(51.1%)と続いています。
なお、「マイナンバーカードに今後期待すること」について、回答者からは以下のような意見が寄せられました。
▽番号が他に漏れた時の具体的なリスク、また持っていることのメリットの説明をしっかり伝えてほしい(30代女性)
▽マイナンバーカードが運転免許証や保険証と紐づけてもらえることは大変便利なように思う一方で、個人情報が漏れないようなセキュリティの対策をとってもらいたい(20代女性)
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【出典】
▽Digital Platformer 株式会社調べ