PTAはなんで大変なの!?→20歳長男「仕事と同じに思うな」 母の愚痴に冷静な助言「ミスなどあっても当たり前」「無理せずできる範囲で」

太田 真弓 太田 真弓

「PTAのことで長男に愚痴ってたら『申し訳ないけどママが間違えてる。ママはPTAを仕事と同じ感覚で取り組んでるけど、PTAはそもそも「押し付けられて仕方なく」参加するボランティアに近い。なので的確な指示や業務分担を期待するのがそもそも違うと思う』って言われてぐぬぬ…てなった」

電卓@ねむいさん(@oOA1geMiHsFMgdZ)が、20歳の息子さんとの会話をX(旧Twitter)に投稿。すると、「客観的にみて、冷静な判断ができる息子さんが大人」「息子さん、的確!」「長男氏の分析力」と、長男さんへの賛辞のコメントが。

電卓@ねむいさんは、長男さんについて「愚痴を聞いてくれるのはありがたいし、冷静な指摘も嬉しいのだけど、頼りがいがありすぎて時々『どっちが親だっけ...』ってなる」と続けてコメントしています。

また、PTAへのスタンスについて
「うぐぐ、自分もおんなじこと思っちゃってたかも…この数日、そのことで愚痴ってたかも…でもみんなでやるには少しだけ。みんなで考えたり、動きやすくするためのことを考えてもいいですよね」
「やるからには忙しいとか余裕ないとかはあると思うんで無理せず出来る範囲でとは思いますが、きちんとはしてほしい」
「当の役員側も『他にいなかったから』という理由で引き受けている人も多く、走りながら整えているので、お互いもう少し協力しませんか?と思います(役員経験者)」
「ボランティア、みんな素人、だから仕事や指示がわかりにくくミス適当などあっても当たり前。でも各人の知恵を集めて穴だらけでも形にすればいい。でも仕事レベルを求めるからイラつくんだよ」
「PTAは本来『押し付けられて仕方なく』参加するボランティアではないはずで、大人たちはそこの認識を変えるべく努力しなければならないと思うしそうしないと子どもから見た印象も変わらない」
など、役員経験があると思われる方々から様々な意見が届いています。

現在、中学校のPTAクラス委員をされている電卓@ねむいさんにお話を聞きました。

決めるときはお通夜のような雰囲気

――長男さんにお話された内容は?

PTAの委員長さんから1つの事務作業を依頼されたのですが、結構複雑で…。委員長さんご自身も依頼した業務の詳細がよくわからないようで、2人で困っていました。

依頼された作業のひとつに長男が高校の頃にやっていた作業があったので相談したところ、作業内容だけではなく私の姿勢に問題があると言われてしまった…という状況です。

――痛いところを突かれた、と。

PTA役員はくじ引きやじゃんけんで決めることも多々あり、保護者の職種も本当に様々です。私は普段の仕事と同じ姿勢でPTAの作業に取り組もうとしていました。指示系統や作業範囲がある程度明確で、作業分担もある程度できているのが前提だという意識がどこかにありました。

長男からの言葉を聞いて、「私も今回たまたま事務作業の話だったので引き受けただけ。ほかのメンバーが事務作業苦手なら、その分私ができる範囲で頑張ればいい。わからなくなったらその時考えよう」と思ったら気が楽になりました。

――長男さんはPTAについてなぜ把握を?

長男は中学、高校とよくクラス委員や部活の部長をしていました。高校の頃は学校やPTAに提出する書類を作ったりしていたので、他の方より多少は接点があったのかもしれません。

――そんな背景があったからこその冷静な助言だったんですね。それを話し合える親子の関係性も素敵です。ちなみにお子さんの学校の役員ルールや選出方法は?

小学校も中学校も「1人の子どもにつき在籍中に役員を1回」です。クラス役員は毎年選出、幹部役員は2年交代。幹部役員経験者はその後のクラス役員は永年免除だったと思います。1クラス毎に5~6人くらいのクラス役員を決める必要があり、毎年4月のPTAで選出します。

決め方はくじ・じゃんけん・挙手制などですが毎回お通夜のような雰囲気です。基本、幹部役員とクラス委員長以外は無報酬ですが、今の役員さんたちは無駄な業務の削減と一部作業の有償化にむけて頑張ってくださっているようです。 

私も過去に1度だけ委員長をやったことがあるものの、普段はあまりPTAにも参加できておらず…。年に数回は参加するようにしていますが、本来ならPTAではできるだけ気づかれないように下を向いて息を殺しているタイプです。

皆さんPTAに悩んでるんだと

――今年はどういった経緯で役員に?

うちの学校は毎年4月にどの委員会を希望するかアンケートを提出します。その委員会を希望した人の中でくじ引きをしたようです。実は役員決めのPTAには参加できなかったのですが、後で担任の先生から「おめでとうございます!よろしくお願いします!」と当選のお電話を頂きました(泣)。アンケートで確かに「希望する」とは書いたものの、引き当てたかったわけではないので複雑な気持ちでしたが、当選した以上は楽しむつもりで参加しています。

――その心づもりであっても、作業を前にちょっと悶々とされていたのですね。

長男からの指摘を聞いた後、委員長さんと何度かやり取りをして作業の方向性を決めました。今もコツコツとみんなで作業を進めているところです。投稿のきっかけとなった作業は、現メンバーでは私が一番詳しいみたいなので、腹を括って私が学校側との交渉を進めています。委員長さんはPTA幹部の皆さんとの交渉を進めてくださっています。役割分担がはっきりできたので私も作業を進めやすいです。

特に今回のことで、私たちPTA下部のメンバーだけじゃなく、会長さんや副会長さんも手探りで相談しあいながらPTAを運営している様子が垣間見えて親近感が湧きました。作業終了までもうしばらくかかりますが、なんとか頑張ります!

――それは良かったです!

私自身の記録みたいなつもりでつぶやいたものだったのですが、長男の冷静(というか偉そうというか…)なコメントをあんなにほめていただけると思わず、本当にびっくりしています。

正直に言うと最初は困惑しましたし、長男への相談を「愚痴」と表現したことで実際とは違うニュアンスで伝わってしまったことに反省もしています。でも、皆さん本当に好意的でありがたかったです。

コメントも拝見して、改めて皆さんPTAに悩んでるんだということが伝わってきました。働きながらPTAに向き合っている方が多いからこそ、気にしてくださったのかな、とも思います。幹部役員経験者やPTA経験者と思われる方のコメントが多くて勉強になりました。

長男はPTAを「『押し付けられて仕方なく』参加するもの」と表現しましたが、実際には「引き受けた以上できる範囲で楽しもう」という感覚の方が多いように思います。今回のコメントを拝見しても「できる範囲で」「力を抜いて」というコメントがあってとても励みになりました。

◇    ◇

筆者も過去に小学校で学年委員長、会計監査役を経験。今年は中学校でクラス委員をしています。PTAは組織の中に入ってみて初めて、その運営方法や内容の詳細が見えてくる印象です。役員同士が「はじめまして」のことも多く、コミュニケーションの取り方も手探りからスタート。前年度からの踏襲であったとしても、その引き継ぎや役割分担、役員同士の連絡や情報共有、学校との連携など細々とした作業が発生します。それでいてみなさんかなりお忙しい!!なんとか時間を割きながら、作業の達成にむけて工夫を重ねているのではないでしょうか。

折しもこれからの時期は、運動会や文化祭、音楽系の発表会、秋のお祭りなどPTAの出番がある行事が続くことも。その存在意義や活動などから賛否両論が絶えない組織ではありますが、学校と協力しながら共に子どもたちをサポートしているのは確かです。

主体的に…というのもなかなか難しく、役員選出からなんとか逃げ切りたい…と毎年ドキドキしている方も多いと思います。「今年は頑張ってやってみよう!」「これで1回クリア!」と前向きに参加し、経験してみることで新たな出会いや発見があるかもしれません。

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