PTAを巡るさまざまな負担が問題になっています。中には、一瞬驚いてしまう「仕事」も。神戸市内の小学校に娘を通わせる女性もこの夏、「カーテン洗濯のお願い」というお知らせをもらい、衝撃を受けました。中には自宅の洗濯機で洗えず、コインランドリーを使う保護者も。ですが、その経緯を取材すると、泣くに泣けない、学校の厳しい懐事情が浮かび上がってきました。
この小学校ではPTAの学級委員がカーテンを持ち帰って洗うことになっています。「手洗い」か「手洗いコースで」▽フックが縫い付けてあるものはフックの部分にタオルやネットをかぶせて▽なるべくシワにならないように―と、洗い方も細かく記され、さらに破れやほつれがあれば修繕するようにお願いが書かれていました。
保護者の間では「えっ、こんなことするんだ」と驚きの声が上がり、洗濯方法の指定の細かさにも戸惑いが。「カーテンは汚れ具合もあって、コインランドリーで洗濯したい人も多いんですが、家の近くになくて困っている人もいる」。さらに「小さなフックが縫い付けてあるものも多くて、一つ一つチェックして直すのはなかなか大変…」とため息をつきます。
他の学校に通う友人らに尋ねたところ、同じようにPTAが洗濯をする学校はいくつかあり、仕事で普段PTAに関われない人が他の人の分までまとめて洗濯している、という例もあったそうです。
神戸市教育委員会によると、PTAの仕事はそれぞれの学校ごとに決めており、全ての学校でカーテンの洗濯を依頼している訳ではありません。担当者は「おそらく教員の多忙などを見たPTA側から『何かできることは』と打診があって始まったのではないでしょうか」とし、他にも夏休み中の校内の清掃などをPTAが行う学校もあるそうです。