実は本来今年は裏年にあたり、実際防除所の調査によれば春から夏にかけて、カメムシの数は少ないまま推移していたそうだ。それゆえ注意報などの情報が少なく、多くの人が突然現れた大量のカメムシにうろたえている状況だと思われる。ではなぜカメムシが大量発生しているのだろうか。
担当者は「原因はこちらも調査中なので、明確な回答はできないのですが…」としつつも、「秋に入っても暑い日が続くことで、カメムシが一斉に動いているのでは」と推測する。
「調査のなかで、果樹カメムシ類が9月中旬に一時急に大量飛来する日がありました。本来、果樹園などに下りてきたカメムシは、秋から冬にかけて果樹も減ってエサが無くなり、冬眠をしに山へ帰るという動きになります。しかし、9月現在もかなり暑い日が続いており、本来冬眠する時期のはずが、まだまだ気温が高いので街中でエサを求めて動き回っている状態ではないかと推測しています」とのことだった。
では、対策法はないのだろうか。「カメムシは光に集まる習性があります。コンビニや外灯によく群がっているのを見かけますよね。それと同じで、住宅でも窓から光が漏れていて、さらにカメムシにとってちょうどいいところに洗濯物が垂れていれば、留まるのに最適です。明確な対策は難しい問題なのですが、光が外に漏れることを遮断するのが良いかと思います」と担当者。
実際、集合住宅に住む編集部員は「夕方から明け方に自動で点灯している外壁照明を管理人に頼んで終日オフ状態に設定変更したら、飛んでくる数が激減した」と語っていた。玄関先の外灯をつけない、カーテンや雨戸で窓から光が漏れないようにするのも手のようだ。
防除所の担当者によれば「これから寒くなるにつれて山の方に戻っていくので、カメムシの数は急激に減っていくと思う」とのことだった。
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また現在、カメムシ対策としてハッカ油が有効とネットで話題になっているようで、ドラッグストアなどではハッカ油が品切れになる店舗も。ドラッグストアに立ち寄ってみると、「朝から問い合わせがたくさんあって…」と店員が困惑するほどで、棚はハッカ油の箇所だけすっかり空になっていた。なお、ハッカ油は猫など動物によっては健康を害する恐れがあるそうなので、使用する際はご注意を。