学童がなくなった小4が鍵っ子に→帰宅した母が見た恐ろしい光景に「うちも」続々 小学生の怖い鍵トラブル…プロに聞いた対処法は?

太田 真弓 太田 真弓

“安全・防犯のプロ”に話を聞いてみることに

しぶやさんの話を受け、小学生の鍵の所持について、“安全・防犯のプロ”セコム株式会社IS研究所(東京都三鷹市)で、子どもの安全に関する研究を行っている主務研究員・舟生岳夫さんにお話を聞きました。

子どもに「鍵の大切さを理解させる」ことが最も大切

――「挿したままの鍵」、何か防止できる策やアイデアはありますか?

基本的には、鍵にひもやキーチェーンなどをつけ、ベルトやベルト通しなどを通して衣服につなぎ、ポケットに入れてしまうようにするのがよいと思います。それにより鍵を挿したまま忘れてしまったり、紛失したり、カバンの奥底に入ってしまって探すのが大変だったりするなどのトラブルを防ぐことができます。

衣服につなぐところが無い場合はカバン等につないでも良いですが、そのカバンは常に肌身離さず持つようにした方がいいでしょう。

これは子どもに限らず大人でも有効なことで、私もカギには必ずひもをつけてベルトを通してポケットに入れるようにしています。

――「鍵の持たせ方」が重要なのですね。

「鍵の持たせ方」を工夫するのは親の役目です。子どもの性格や行動パターンなどから「我が子にあった鍵の持たせ方」をさせてあげてください。身につけておくこと、外から見えないようにしまうことが大切です。

子どもが鍵を持っていることが見られると、ひとりで留守番する可能性があるとして狙われる要素になります。だから鍵を見せびらかしたりしてはいけません。

くれぐれも、上着やズボンのポケットにそのまま入れたり(紛失の可能性)、ひもを使って首からぶら下げることは、遊具などにひっかかる危険性があるためやめましょう。

――鍵を持つにあたり、親子で気をつけるべきことは?

まず子どもには「鍵の大切さを理解させる」ことが最も大切です。紛失したり盗られたりした場合には、大きな被害が発生する可能性があります。だから「失くしたら泥棒に入られたりして大変なことになるんだ」ということをしっかり伝えてください。

――紛失のリスク、大きそうです。

万一カバンに入れたまま紛失すると、住所がわかるものが入っている場合、悪意のある人間に拾われると、家に入るフリーパスを渡したことになります。鍵によってはハウスメーカーの名前が入っていて家が特定されてしまうものや、番号の刻印から合鍵が作成されてしまうものもあります。

新型の鍵は親が定期的に動作のチェックを

――現在、非接触型やスマートキー、指紋認証式など鍵自体の変化も進んでいるようです。こちらの取り扱い注意点は?

カード型になっている鍵も増えてきていますが、基本は同じです。カード単体で持ち歩かずにきちんとケースに入れ、ひも等で身に着けられるようにすることが重要です。それはタグやスマートキーでも同様です。

カードやタグのタイプだと、扱いが雑だったために汚れたり折れたりしてしまって、反応しなくなってしまうというトラブルがあります。電池切れなどの場合もありますので、子どもに持たせる場合は、一定期間ごとに親がチェックしましょう。水や衝撃に弱いタイプもありますので特に大切に扱うようにしましょう。

指紋認証や顔画像認証のタイプについては、きちんと認証できるように指の置き方、顔の向きなどを練習しておくこと、また事前登録された情報が流出しないようにするという別の対策も必要となります。

――玄関で気をつけるべきことは?

周囲を見渡して変な人が見ていないかを確認し、ポケットからさっと取り出して開けられるようにすることが大切です。玄関前でもたもたしていると、犯罪者に目を付けられる要因になります。

家に誰もいないことが分かっていても、「ただいまー!」と言ってドアをあけ、入ったらすぐに鍵を閉め、チェーンをかけるようにしましょう。 

――なるほど!「ただいま」と言うことで宅内に一人ではないことをアピールするわけですね。

ドアを開けたときに、鍵を外から見えるところにぶら下げておかないこと。また、友達と歩きながら「今日うち留守だから遊びにおいでよ!」などと大きな声で話していると、子どもが留守番していることが分かってしまうので注意が必要です。

とにかく「鍵を大切にする」「鍵をしっかり閉める」。このことが留守番中の安全につながります。

鍵を素早く取り出して開け閉めできるようになるまで、保護者が横についてしっかりと練習しておきましょう。 

◇     ◇

鍵にまつわる様々なうっかりを防ぐためにも、親子で防犯意識を高め、練習しておくことが大切なのですね。最新型の鍵への対策法も勉強になりました。

子どもに鍵を持たせる際には、各家庭で様々な事情があったり、親の判断や練習が必要となりますが「あなたを信用しているからね!まかせたよ!」という証にもなります。一人での開け閉めに成功し、お留守番デビューできたら「一人で入れたんだね!偉い!」「頑張って留守番できたね」「鍵しっかり閉めてくれてありがとう!」といった声かけをすることで、子どもたちの自信にもつながりそうです。

セコムでは、我が子の「安全・安心」を願う保護者に向け、信頼できる情報を届けるため2006年2月から「子どもの安全ブログ」を開設し運営中。今回お話を聞いた舟生さんがモデレーター(案内役)として、子どもたちを取り巻く現状を伝え、無事に過ごせるよう具体的な傾向と対策を紹介しています。親子で話し合うきっかけに、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

また、子どもの防犯や安全啓発の一環として『セコム子ども安全教室 教材』も製作。ホームページから申し込みした幼稚園・小学校・教育施設へ無償でDVDや指導教本を提供しています。こちらは今年「第17回キッズデザイン賞」を受賞し、教育現場で負担なく質の高い安全教育ができるとして高く評価されています。

■しぶやさんX https://twitter.com/wormamaantenna

<セコム株式会社関連情報>
■安心子育て応援サイト「子どもの安全ブログ」 https://www.secom.co.jp/kodomo/
■セコム子ども安全教室 教材 https://www.secom.co.jp/corporate/anzen/kodomo_kyozai/

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