商業施設やビルなど公共施設に設置されている授乳室は、赤ちゃんと保護者のためのスペース。しかし、人目につきにくい場所にあることも多く、不審者の出没やトラブルの発生も危惧されています。
不審を抱いた授乳室の男性ひとり利用
とある商業施設で授乳室を利用した際のショッキングなできごとを明かしてくれたのはA子さん。A子さん親子と付き添いのA子さん母の3人で授乳室へ行ったところ、2つある授乳室のうちのひとつは既に使用中でした。そこで、空いている授乳室にA子さん親子が入室。
A子さん母が2つの授乳室の前のソファに腰かけて待機していたところ、使用中だった授乳室から、全身黒ずくめでめがねをかけた男性がひとりで出てきたそう。A子さん母がいることに驚き、そそくさと立ち去った様子に、不審感を持ったA子さん母。「今、隣の授乳室から男がひとりで出てきた」とA子さん親子に伝え、隣室をのぞくと、ソファの上にたばこの灰が落ちていました。
男性入室禁止の授乳室で喫煙していたことから、A子さん母がすぐにサービスカウンターへ行き、状況を説明。スタッフが駆けつけ、吸い殻の掃除を行うとともに、A子さんに「怖い思いをされましたね」と声かけ。その後、警備員が複数名で付近を巡回し、ものものしい空気に。「奥まった場所にある授乳室だったため、何か起きてもすぐに助けを呼べないかも」と思い、A子さんは、その後授乳室に入ってきたママさんにも念のため注意喚起したと話します。
トイレは鍵付きなのに…。なぜ授乳室は鍵なし?
身近に不審者は潜んでいると実感し、母として気を引き締めるきっかけになったというA子さん。「喫煙所があるのになぜわざわざ男性入室禁止の授乳室でタバコを吸っていたのか?良からぬことを考えていたのか?それはわかりません。利用した授乳室はカーテン等でなく、壁で仕切られたドア付きの個室で、隣の個室まではタバコの臭いはしませんでした。また、防犯ブザーや鍵はありませんでした。まさかこんな所でそんなヤバいことをする奴はいないだろうと思っていましたが、乳児を抱っこしているので、もし、何かされたら抵抗できません。母がいなかったらと考えると、ゾッとします」。
その後、商業施設から「今後警備を強化する」というメールを受け取ったそうですが、「授乳室を利用するお子様とお母様への注意喚起になれば」との思いから、SNSでも発信しました。
リプライには、怖い経験をしたという人の声も。
「場所柄、監視カメラも設置できないし、内側からの施錠や緊急ブザーなどの対策が必要。あと、場所も奥まった所ではなく、サービスカウンター近くに設けて欲しい」
「カーテンの仕切りだけの授乳室、バッ!と入られたら終わりだなといつも感じていました」
「タバコは何かあった時の言い訳で用意してただけでは」
トイレには鍵がかかるのに、服をはだける授乳室には鍵がかからないタイプが多いことに疑問を抱く人の声も多く、「小さな赤ちゃんを連れているお母さんたちが、自己防衛をすることはとても難しいです。安心できる環境ではないかぎり、個人が最大限の警戒をしないとならないのは、とても理不尽に感じています」とA子さん。
夫や親、友人などと一緒に行動している場合、そばで待機してもらうことも可能ですが、親ひとり子ひとりの外出ではそれもままなりません。「授乳室の鍵取り付けを義務化したり、授乳室を利用する際は受付を通らなければならないようにしたり、と施設側の協力が必要不可欠ではないでしょうか。赤ちゃんとそのお母さんが安心して 授乳室を使えるようになればいいなと思います」。