多頭飼育現場から保護された犬 名前を呼ばれると尻尾をフリフリ 甘えん坊ぶりがみんなを笑顔にする 

松田 義人 松田 義人

人間の身勝手な行動のため、多くの犬猫が自治体による殺処分の対象となっています。令和3年度には日本国内で2878頭の犬と17394頭の猫が殺処分されています。犬猫が保健所や市役所などに保護されてから処分されるまでの収容期間は各自治体によって異なりますが、この期間のうちに飼い主が迎えに来なかったり新たな引き取り手が見つからなかったりすると、残念ながら彼らの命が失われることになります。

そんな悲しい現実と向き合い殺処分される前の犬猫を引き取り、新しい飼い主さんへの譲渡を行なうのが、HOKKAIDOしっぽの会(以下、しっぽの会)。北海道夕張郡長沼町で「人と動物が共生する幸せな社会」の実現に向け、保護活動、啓発活動を行なっています。

極度のビビリの半面、心を許すと甘えん坊に

2022年夏、しっぽの会にやってきたリーフというミックス犬のメスのワンコがいました。多頭飼育現場から保護されたワンコで、推定年齢6〜8歳ほどの成犬です。シャイでビビリな性格のようで、しっぽの会に来た当初は周りの音、人間の動きなどに過敏に反応しては怯える様子を見せていました。

しかし、スタッフが時間をかけてリーフとコミュニケーションをとり続けると、心を開いてくれるようになり「なでて!」と甘えてきたり、スタッフの体に自分の体をくっつけたりと、甘えん坊の一面を見せてくれるようになりました。スタッフが「リーフ!」と名前を呼ぶと、尻尾を振りながら走ってきてくれるようにもなりました。その様子がとてもかわいらしく、スタッフの顔もついほころんでしまう瞬間です。

リーフの左後肢には障がいがあった

とても愛くるしいリーフですが、生まれつきなのか、それとも育った環境によるものなのか、左後肢の膝が骨化しており、あまり動かせないことがのちに判明しました。筋力も衰えているようで歩くときに片足を上げることがたまに見受けられます。

動物病院の獣医師によれば「日常生活には支障はない」という診察結果だったため、現状では、特に治療はせずに様子を見ながら生活を続けています。今のところ、痛みはなさそうで、リーフは元気いっぱいで走ったりもしています。

 

スタッフに甘えながら今日も団体施設で明るく過ごす

こういったリーフ特有の性格や、左足の問題を理解し、愛情をたっぷり注いでくれる里親さんとの出会いを待ち望んでいます。

人見知りが強く、初めての人の前ではパニックになることがあります。また、大きな音や、激しい動きを見るのもダメなリーフです。そのため、リーフがストレスなく生活できるよう、なるべく音がしない、落ち着いた環境を整えてお迎えしてくれる里親さんが望ましいとスタッフは言います。

左足の問題もあるため、足腰の負担にならないように食事や体重管理にも気をつけてもらう必要があります。筋力が衰えていることもあり、滑りやすいフローリングだと踏ん張りがきかず、足腰に負担がかかることもありそうです。無理なく歩いたり走ったりしやすい飼育環境を整えることができる里親さんが理想です。

外やひとりが不安なようで、信頼する人にはベッタリくっついてくるリーフ。思いっきり甘えさせてくれる里親さんとの出会いを夢見て、今日もしっぽの会の施設で、元気いっぱいで明るく過ごしています。

HOKKAIDOしっぽの会
https://shippo.or.jp/#gsc.tab=0

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース