京都市上京区の西陣織工芸製造業の男性が金襴を使って制作し動物を表現した本がこのほど、ウクライナから避難している男児に贈られた。本を受け取った男児はさっそく興味深そうに本を眺めていた。
上京区の富坂儀一郎さん(75)が手がけた「これな~んだ?動物編Ⅰ」。ゾウやキリンなど動物計8種類のシルエットが金襴を使い切り抜かれている。
今年6月、富坂さんがウクライナ避難民への本寄贈を京都市国際交流協会(左京区)に打診。キーウから避難するアンナ・シェルシュノヴァさん(35)と長男のフリブ・ガルシュカちゃん(3)親子に贈ることが決まった。
このほど左京区の市国際交流会館で行われた寄贈式では、富坂さんがシェルシュノヴァさん親子に本を手渡した。富坂さんが本を開いて見せると、フリブちゃんは金襴で切り抜かれた動物のシルエットに触れ、歓声を上げていた。
シェルシュノヴァさんは通訳の職員を介し「このようなすてきなプレゼントをもらい、うれしく思います。寝る前に読み聞かせをしているので使わせていただきます」と感謝を述べた。
富坂さんは合わせて中国語版やドイツ語版などを制作。京都市国際交流協会に贈った。