招き猫1044点がお出迎え 全国45都府県から収集、世界に3点しかないレア物も 岡山・笠岡にギャラリーカフェ開業

山陽新聞社 山陽新聞社

 集めた縁起物は1044点―。全国の招き猫がずらりと並ぶギャラリーカフェ「瀬戸の古猫庫(こねこ)」が岡山県笠岡市大島中にオープンした。井上雅也さん(61)=同市=が退職を機に、自宅近くにあり、笠岡諸島を望む築100年近い古民家を改修して開業。世界に3点しかないという迫力ある手工芸品など、各地の招き猫が出迎えてくれる。

 展示する招き猫の素材は木や土、陶とさまざま。産地は北海道と沖縄県を除く45都府県がそろう。岡山県美咲町に伝わる百々(どうどう)人形やからくりの神戸人形といった民芸品が多く、作り手がいなくなったものも。目玉は、色鮮やかな2匹の猫が横並びでくっついた形の旭土人形(全長71センチ)。愛知県の名工が3点だけ作ったとされ、日本土鈴館(岐阜県、2021年閉館)から譲り受けた。

 井上さんは十数年前に招き猫の収集を始めた。妻が健康のお守りとして欲しがり、購入したのがきっかけになった。「1匹だけじゃかわいそう」と買い足すうちに愛着が湧き、全国の工房を回るように。自らも招き猫の土人形を作っている。

2階のカフェは自家製パンや水出しコーヒー

 4月に開店し、1階はギャラリーと招き猫の製作スペース、2階は大きな窓から瀬戸内海が見渡せるカフェにした。カフェは長男の優雅(ゆうま)さん(33)=倉敷市=が主に営業し、自家製パンや水出しコーヒーなどが味わえる。

 井上さんは「招き猫は一見気色悪いが、じっくり眺めると愛くるしい。自然あふれる笠岡の良さとともに、そんな魅力を伝える場にしたい」と話す。

 午前8時~午後5時。月曜定休。ギャラリーは入場料500円。絵付け体験(有料)もできる。問い合わせは瀬戸の古猫庫(0865―75―0515)。

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