株式会社CONNECT(東京都新宿区)は、家族が終活をしておらず遺族間トラブルを経験した人(512人)および司法書士、行政書士(512人)を対象に「終活と遺族間トラブル」に関する調査を実施しました。その結果、遺族間トラブルについて、遺族間トラブルを経験した人では「兄弟、姉妹間トラブル」、司法書士・行政書士では「遺書が見つからない」がそれぞれ最多となりました。
調査は2023年7月にインターネットで実施されました。
まず、「遺族間トラブル」について、遺族間トラブルを経験した人(512人)と、司法書士・行政書士(512人)それぞれに複数回答可で調査を実施しました。
その結果、遺族間トラブルを経験した人では、「兄弟、姉妹間トラブル」(54.3%)が最も多く、次いで、「不動産トラブル」(23.4%)、「遺書が見つからない」(17.6%)、「遺書の内容が不十分」(12.3%)といった回答が上位に挙げられました。
一方、司法書士・行政書士では、「遺書が見つからない」(38.1%)、「遺書の内容が不十分」(36.9%)、「兄弟、姉妹間トラブル」(34.6%)、「遺書の内容が不公平」(27.0%)など、「遺書」に関連する回答が上位を占める結果となりました。
回答者からは、「故人が誰にも言わずに多額の借金を残して死去し、その返済で子供同士が揉めた」(40代男性)、「遺言書を個人で調べて作成したようだが、内容が不十分となり効力がなかった」(50代男性)、「遺書に記載された相続の不公平で遺族間で争いが起きた」(50代男性)などの相続がきっかけで不仲になってしまうようなエピソードが多く寄せられました。
さらに、「トラブルが解決に至るまでの時間」について聞いたところ、遺族間トラブルを経験した人では、「現在まで解決していない」(27.7%)が最多となったほか、「半年~1年程度」(20.5%)、「2~5カ月程度」などが挙げられました。
一方、司法書士・行政書士(解決までにかかる平均時間)では、「1カ月程度」(26.0%)、「2~3週間程度」(21.1%)、「1日~1週間程度」(15.4%)などが上位となりました。
ちなみに、「トラブルを解決するためにかかった費用」については、遺族間トラブルを経験した人では、「1万円未満」(22.3%)、「6~10万円程度」(16.5%)、「21~50万円程度」(16.0%)などが上位に並んだ一方で、司法書士・行政書士(解決までにかかる平均金額)では、「6~10万円程度」(32.8%)、「11~20万円程度」(26.2%)、「21~50万円程度」(16.5%)といった回答が上位となり、プロに依頼した場合とそうでない場合で、金額にも差が出ることが分かりました。
続けて、「遺族間トラブルは個人の終活だけで解決できると思いますか」と聞いたところ、「解決できると思わない」と答えた割合は、遺族間トラブルを経験した人は57.2%、司法書士・行政書士では、33.8%となりました。
なお、「トラブルを未然に防ぐために必要なこと」について回答者からは、「銀行口座・証券口座などは整理してまとめておく」(30代女性)、「正式な遺言書の作成」(40代男性)、「トラブルになった時の為に、頼れる人を探しておく」(30代女性)といった声が多く寄せられました。
最後に、司法書士・行政書士の人に対して、「個人の終活が抱えている課題」について複数回答で答えてもらったところ、「書類に不備がある可能性がある」(44.5%)、「手間と時間を要する」(41.0%)、「専門的な知識が少ない」(38.5%)などが上位に挙げられました。
なお、「個人の終活で、解消すべき問題点」として回答者からは、「エンディングノート的なものを残しておいてもらう」(40代女性)、「明確な証書」(40代男性)、「生前から意思疎通をとっておく」(60代女性)といった意見が寄せられ、生前から意思確認をし、適切な書類を作成することが重要であることが分かりました。