「高校生のママともなると、完全に専業主婦の人はあまりいない。子どものお弁当作りや塾・部活の送迎も含めた家事全般をして、両家の介護も担当して、そのうえで仕事もしてるから、パートであってもぜんぜん暇じゃない印象です。10代の生活を金銭面でも家事面でも支えてる」
専業主婦を経て再就職、キャリアの再構築を行うhahahaさん(@YokoBlankCafe)。子育ては幾分落ち着いてきたものの、中高生の子を育てながら働くことの難しさも実感しており、これまでに何度も「中高生のお母さんは暇じゃない」ということを発信してきました。
「子育てが少し落ち着いたと思えば、親のこと 自分のことなど後回し」
「年々忙しくなっています。それに合わせて、年齢による体調の変化。母親は不死身と思われているのか」
「高校生になると、シャレにならないお金が必要。身体にムチを打たねばならない」
「週末は高2、中2の娘ほぼ部活の送迎、お弁当作り、家事…。 収入を増やそうとフルタイムに転職しましたが、毎日へとへと」と中高生の子どもを持つ現役世代がリプライ。
「部活 塾の送迎やらで 座ってご飯を食べた記憶がありません」
「高校も給食にして欲しいと現役の頃思ってた」
と過去を思い出す人もいました。
そんななかで「高校生にもなったら、自分の弁当ぐらい自分で作るように言えばいい。送迎も本当にいるの?自力で移動できないの?」など、子どもの自立を促す意見もありましたが、「両親は共働きだったこともあり高校3年間は自分でお弁当を作っていました(妹達は小学生と中学生で給食)。5時起きで学校へ行く支度した後、駅まで送ってもらうために母を起こす毎日でした」と、子どものサポートがあったとしても、忙しい親が垣間見えるエピソードも。
多くの反響があった今回の投稿について、hahahaさんが伝えたかったことは?その真意をお話いただきました。
家事育児押し付けたままでは、女性の社会活躍は無理
――hahahaさんは、女性と仕事について発信しています。
「はい、育児や家庭の事情で仕事を手ばなした女性が再び働くことやキャリアアップのチャレンジを熱烈応援しています。
既婚・子どもがいる女性はまだまだ扶養内パートの働き方をしている人が多く、 “働く気がないから敢えてパートでいる”と思われがちです。でも、実は、仕事のアクセルを踏むのがなかなか難しい背景があります。そのことを社会全体に知ってもらえればいいな、と。今回は、“子どもが高校生になって、子育てが落ち着いたのに扶養内パートしかしていない女性”の日常の負担の大きさを伝えたくて投稿しました」
――それが大きな反響に!
「これまで何度も“中高生のお母さんは暇じゃない”ということを発信してきました。今回はたまたま皆さんの目に触れる機会が多かったようで、ありがたいと思いました。いろいろなお声もいただきまして、小さいお子さんのいるママさんから“今が一番大変かと思ったのだけど先は長いんだ”と気づいていただけたのは嬉しかったです」
――子どももある程度成長しているのだから、親がそこまで手をかけなくてもいいのでは?という意見もありましたが。
「都市部に住んでいる方の中には、“子どもが早起きして自転車で行けばいいものを、どうせ親が甘やかして車で送ってるんでしょ、それで忙しいとか言うなよ”という思考になってしまうこともあるかもしれませんね。でも、それが難しい地域に住む方もいますよね。
また、交通の便が悪い場所に住んでいても、そのような親のサポートを受けにくい子がいることも忘れてはいけないと思っています」
――高校生が自力で解決できることばかりではないですね。
「そういうことです。子どもの高校生活に焦点を当てると、まだまだお弁当や送迎など親のサポートありきで、それは主として母親が担うことが多いです。また、名もなき家事も含めた家事全般に時間を取られますし、人によっては介護などもあります。
母親がそれら全部背負っている。それゆえ、フルタイムでの仕事なんてとんでもない、キャリアアップを狙いたくても時間的にも余裕がないとなっている現実をわかって欲しいのです」
――hahahaさんご自身はいかがですか?
「高校生の母が忙しい問題については、自分自身は解決できたと思っています。私は専業主婦の期間もありましたが、子どもが中学生になるタイミングでフルタイム正社員になりました。
今、子どもは高校生ですが、家事は家族で分担。お弁当も私が毎回作るわけではなく、子どもが作ることもあれば、コンビニ等で買ってもらうことも。我が家のように、家事の負担を減らしたり分担したりすることは可能かと思います。ただ、自分の子どもだけお弁当が質素だと可哀そうかな、とか、夕食のおかずが少ないとさびしいな、とか、思うとなかなか減らせないのもわかります」
――そこで葛藤する女性が多いのでしょうね。
「そう思います。それを解決していない女性が多いので、励ましたいのです。それに、この問題は子どもがいる女性だけに届いても仕方がないものです。女性だけが考えたり、女性だけが頑張ったりすれば解決するものではありません。今は、女性が社会で活躍するのが難しい構造になっているお母さんが担っている負担を減らしていく必要があるんだよ、ということを伝えたいと思っています」
――共働き家庭が増えているのに、社会の仕組みや考えがまだ追いついていないですよね?
「育児介護休業法が2010年に改正され、育休や時短勤務が取得しやすくなったことで、妊娠や出産では退職しないのが当たり前になってきました。そのときに生まれたお子さんは13歳ですので、お子さんが中学1年生以下くらいの親御さんと、それ以上の方とは、ぜんぜん見える世界が違ってきています。
“女性の社会活躍っていうけど家事育児押し付けたままじゃムリよ”ということを、世代問わず、広く知ってもらい、子育てや家庭生活における女性の負担が減っていくといいと思いますし、女性のキャリア構築ももっともっと進めばいいと、切に願っています」。
■hahahaさん @YokoBlankCafe