春は進級進学の季節。中学校や高校入学のタイミングで、お小遣いの金額を上げる家庭も多いでしょう。とくに公共交通機関を使って通学するようになると、一気に行動範囲が広くなり、子どもがお金を使う機会も増えますよね。
「1カ月のお小遣いをいくらにするべきか…」と悩むかもしれません。子どもが電車通学を始めるR子さんも、お小遣いの金額を決めかねていました。
「お小遣い値上げして!」と主張する子ども
R子さん(神奈川県在住、40代、販売職)には、4月から私立中学に入学する娘がいます。中学校までは電車通学で、片道40分程度の距離です。中学生になるので、R子さんは娘のお小遣いを700円から1500円に値上げしました。「部活に入れば学校と家の往復になるから充分足りるだろう」と思ったのです。なお、学校で購入する飲み物や文房具などは、別途お金を渡すことを伝えています。
最初は1500円の値上げを喜んでいた娘。しかし、入学してしばらくすると「全然足りない!」と言い出しました。「学校帰りにファーストフード店に誘われた。みんな飲み物だけじゃなくてポテトとかハンバーガーとか頼んでる。私だけ飲み物だと友達が気を遣うからお小遣い値上げして!」と主張する娘。無駄遣いをさせたくないR子さんは、娘の訴えを保留しました。
中学生と高校生のお小遣いの平均はいくら?
実際、今どきの中学生や高校生のお小遣いはいくらが平均値なのでしょうか。学研教育総合研究所が行った調査では、中学生、高校生のお小遣いの平均金額は以下の結果が出ています。
◇ ◇
中学1年生:1380.0円
中学2年生:1568.0円
中学3年生:2112.1円
中学生全体:1686.7円
◇ ◇
高校1年生:5164.0円
高校2年生:7347.5円
高校3年生:8531.0円
高校生全体:7014.4円
◇ ◇
なお、中学1年生で月のお小遣いが3000円以上の割合は19%。家庭によってお小遣いの金額は大きな差があるようです。
友達との交際費はどうする?
前述した調査では、中学生全体の36.5%が「お小遣いなし」という結果でした。お小遣い制は導入せず、必要なときに必要な金額を渡しているのでしょう。R子さんが娘のお小遣いの値上げを決断できない理由はここにありました。友達との交際費の扱いをどうするべきか決めかねていたのです。
たとえば、今回のように友達からお茶や食事に誘われた場合、お小遣いから出させるべきか、それとも「食費」として別途渡すべきなのか、正解がわかりません。今後テーマパークに誘われたら、お小遣いだけではとても足りないでしょう。「お金がない」という理由で子どもに断らせるのはさすがにかわいそうです。しかし、ゲームセンターなど少額でも楽しめるレジャーなら、お小遣いから出してほしいとも思います。
お小遣いは親子でお金について考える良い機会です
その後、R子さんは娘と話し合い、お小遣いを2000円に増額しました。なるべくお小遣い内でやりくりして、どうしても足りなければ随時相談するのが約束です。「友達付き合いは大切だけど、無理して自分もたくさんお金を使うのは違うと思うの。ときには断る勇気も大切だよ」とR子さんは娘にアドバイスをしました。親子でしっかり話し合ったので、娘もお小遣いの金額に納得した様子。「お金について親子で考える良い機会だったかもしれない」と、R子さんは思いました。
子どもに渡すお小遣いの考え方は、家庭によって変わりますよね。R子さん親子は納得するまで話し合えましたが、お小遣いの金額で親子バトルが勃発する家庭もあるでしょう。中学生や高校生にはどのようにお小遣いを渡すと良いのでしょうか。
お小遣い額はどう決めた?
今現在、中高生の子どもがいる家庭ではどのようにしてお小遣い額を決めたのでしょうか。
▽中2・保護者
去年は5000円だったので今年から6000円にしました。
日曜日、友人と外出してはスタバで700円以上のフラペチーノを飲み、それ以外にもボーリングやカラオケなど、追加で請求されることが多かったです。
▽中1・保護者
お小遣いは特に決めていません。必要なときに言われた金額をわたしています。
▽高1・保護者
高校1年ですが、毎月必要なものを書き出してもらって予測してお小遣いをわたしています。友達と遊んだり付き合いがあるから色々と交際費もかかるようで、3000円~8000円くらいになるように計算してもらっています。
▽高2・保護者
娘が縮毛矯正をしたいとのこと。脱毛や美容費は女子としての身だしなみなので必要経費なのか、お小遣いの範囲内でやらせるべきなのか、悩んでいます。バイトは学校で禁止されています。