「夏は緑茶が売れない」とX(ツイッター)に投稿した「お茶農家佐京園の13代目園主 佐京裕一郎」(@MarusaSakyoen)さん。佐京さんは、静岡県島田市の自家農園で、栽培から製造まで丁寧におこなったお茶を小売りしています。
「夏に緑茶を飲んでもらうにはどうしたらいいんだろう」と、水だし緑茶の魅力についてコメントを続けました。
「水出し緑茶はカフェイン少なめで美味しいよ」
「しかも100gで100杯飲めるからコスパもいいよ」
「急須ごと冷蔵庫で1日飲めるよ」
佐京さんによると、水だし緑茶はお湯だしよりも失敗なく気軽に作れて美味しいうえに、1回のお茶っ葉で1日中飲めるそう(作り方については、あとで記載します)。佐京さんに詳しいお話を聞きました。
──水だし緑茶を試してみようという方もいらっしゃると思いますが、どんな茶葉が適しているのでしょうか?
どれでも出ますが、浅蒸し茶よりは深蒸し茶の方が出やすいと思います。製法の違いなんですが、浅と深の線は曖昧です。浅は形状重視で硬いので出にくく、深はもうちょい粉っぽくて出やすいイメージです。
──佐京さんは、水出しでよく出るように揉まれているとか。
うちのは形状より出やすさ重視なので、更によく出る感じです。問屋に売るには形状がいい方が高く売れるので、問屋に売っていた時期はそのように揉んでいましたが、今は全量小売なので形状より味重視で揉んでいます。
──冬に対して夏はどのくらい売れないのですか?
夏売れないのは茶業界では通説だと思います。暑いからっていうよりは、お茶は冬飲むものというイメージと、夏は麦茶!っていうイメージが強いかなと思います。カフェインの利尿作用も熱中症によくないイメージを持たれているので…。うちのデータだと、夏の売り上げは冬の40%くらいです。
──半分以下なのですね、それは確かに少ないです。
緑茶の味が嫌いで飲まない方はいいですが、好きだけど、めんどくさいから飲まないということなら、めんどくさくない飲み方もあるよ。カフェインが気になるなら、カフェインを抑えられる飲み方もあるよと伝えることで、「緑茶飲もう」ってなってくれると嬉しいです。
──お茶は葉っぱよりも茎の方が甘いと解説されていました。ほかにもお茶について知らないことがいろいろありそうです。
ほうじ茶は緑茶よりカフェイン少ないって信じている人が多いので、ほうじ茶と緑茶のカフェインは同じだということも広めていきたいと思っています。緑茶を高温で焙じたのがほうじ茶なんですが、その過程でカフェインが減るって信じてる方が多くて。
簡単な水だし緑茶の作り方
【簡単水だし緑茶の作り方】
用意するもの:急須またはポットなど(なければコップでOK)、煎茶
いれ方:①急須やコップに、煎茶と水と氷を入れる ②3分ほど待って湯呑みに注ぐ(コップなら上澄みを飲むだけ) ③2煎目はそのままお水を入れるだけ ④飲まない間は冷蔵庫に急須ごといれておいて、飲みたいときにお水を入れれば1日中飲める
ポイント:水に浸かった状態だとずっと抽出され続けて渋みが出るので、できるだけ水分を注ぎきる。茶葉は1日くらいで捨てる。急須に茶葉、氷、少なめの水を入れてガシャガシャしてから水を足す方がよく出る。
筆者は、1晩つけておく作り方で水だし緑茶を作ったことがありましたが、抽出しすぎな感じがしてあまり好きではありませんでした。この方法ならさっぱりしていて飲みやすく、気に入りました。家にあった緑茶を使いましたが、不思議なことに何回飲んでも爽やかなお茶の味が楽しめます(湯呑みで10杯くらいは飲みました)。暑い夏の水分補給、たまには緑茶にしてみませんか。
■佐京園ホームページ(農家民宿・猫カフェもしています) https://www.sakyoen.com
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