パッケージが赤茶色で重厚な感じがする駅弁。タイトルの下には「旨味溢れる松阪牛を特製のたれにつけ込み、じっくり香ばしく炙りました」と書かれている。信楽焼の植木鉢を容器にしたり、掛け紙を新聞紙に見立て、商品の紹介を事細かく社長まで写真で登場させて読ませたり、電話番号に至っては4649(よろしく)など、良い意味でユーモアに富んだ南洋軒らしくない高級食材と真剣勝負した駅弁なんだと期待が高まる。滋賀県産の近江米と三重県産和牛の融合を想像しながら包みを開いてみた。
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弁当箱の5分の4が牛肉を占め、残りの5分の1は付け合わせのナムルが入る。
メインを張る牛肉は小さくカットされていて口の中でホロホロと溶ける。脂のうま味と自家製たれの染み込んだ肉本来の間違いない味とのあんばいが良く、それとご飯とが合わさって期待通りのおいしさを醸し出している。ニンニクのほのかな香りが後味に残り、締まった感じがいい。
ナムルは3色。モヤシは水分を多く含み、ダイコンはトウガラシと合わさってピリ辛く、小松菜はゴマとあわせてあって色味がいい。どのタイミングで食べても箸休めになるし、それだけでも薄味で十分においしく好感が持てる。
3日前までの予約が必要なので、余裕を持って取り置き注文したい駅弁だ。
1460円。東海道本線・草津駅「㈱南洋軒」☎0775644649。新大阪駅と京都駅で販売されることもあり。