専業主婦・主夫に生命保険は不要? 入るべきケースをFPが徹底解説

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専業主婦・主夫をされている方の中には、「自分に万が一のことがあっても、経済的に家計を支えている訳ではないから保険は不要」と考える人もおられるでしょう。しかし、本当に専業主婦・主夫には生命保険が不要なのでしょうか?

万が一のことがあった場合、さまざまな出費が発生するため、家庭の状況によっては保険での備えが必要かもしれません。専業主婦・主夫の方々が保険を検討する際に、どのような点に注意すればいいのか、FPが徹底解説します。

専業主婦・主夫が保険に入るべきケース

専業主婦・主夫にとって、生命保険が必須ではないと思う理由に「家計を支えている訳ではないから」という点が挙げられます。

生命保険は、本来家計を支えている人に万が一の事が起きたり、重い障害を負って働けなくなった場合に家族を保障するものです。

専業主婦・主夫に万が一のことがあっても、配偶者が仕事を辞めなければ、収入が途絶えることはありません。

しかし、たとえ専業主婦・主夫であっても、ケガや病気で入院したり、亡くなったりすると様々な費用が発生するため、家庭によっては保険での備えが必要です。

専業主婦・主夫が保険に入るべきケースを紹介しましょう。

▽①貯金が少ないとき

貯金が少ない家庭は、専業主婦・主夫であっても、生命保険で備える必要があります。

なぜなら、病気・ケガによる入院や手術の際の経済的負担が重くなるほか、死亡時に残された家族のその後の生活に大きな影響があるためです。

日本では「国民皆保険制度」のもと、病気やケガで治療を受けた場合でも、医療費の全額を負担する必要はなく、窓口での医療費の自己負担は1~3割に抑えられます。

また、1カ月の治療費が高額になった場合、高額医療費制度により自己負担額を超えた分が還付されます。

自己負担限度額は、年齢や所得に応じて決められ、70歳以下で年収が約370万円〜約770万円の場合、医療費が総額100万円であれば、自己負担限度額は87,430円です。

さらに、高額療養費制度といった制度があるため、まとまった貯金がある世帯や、収入が安定している世帯は専業主婦・主夫の保険の必要性は高くないと感じる人もいるでしょう。

しかし、個室や少人数部屋に入院する際の差額ベット代は全額自己負担になり、入院が長引けば、家計への負担は重くのしかかってきます。

また、万が一死亡した場合には葬儀代が必要になります。

医療費や葬儀費用をまかなえる十分な貯金がない場合は、保険などで備える必要性が高いです。

(※)参照:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

▽②子どもを考えているとき 

これから子どもを考えている専業主婦・主夫も保険の必要性が高いです。

通常、出産は病気ではないため公的医療の対象ではありませんが、申請すると一児につき50万円の出産育児一時金が受け取れるため、正常分娩であればそこまで高額な医療費はかかりません。

しかし、帝王切開での入院や切迫早産、妊娠悪阻による入院など、妊娠出産にはトラブルはつきものです。

医療保険では、妊娠中の異常を原因とする入院や帝王切開での出産の際にも入院給付金や手術給付金が支払われるケースがあります。

なお、妊娠してからだと医療保険に加入できない、または加入はできても支払いの対象にならない場合があるため、妊娠前に加入しておくと安心です。

▽③家事や育児を頼める人がいないとき

専業主婦・主夫に万が一のことがあった場合、家事や育児を頼める人がいない世帯は保険の必要性が高くなります。

世帯主である夫(妻)が仕事を休めず、頼れる身内も近くにいない場合、残された家族だけで家事・育児すべてカバーすることは非常に難しいでしょう。

専業主婦・主夫が担ってきた家事や育児を家族だけでは対応できない場合は、費用をかけて以下のような外部サービスを利用する必要が出てきます。

・家事代行
・保育園
・ベビーシッター
・外食、宅配食等

いくら収入に余裕があっても、万が一の際にはさまざまなお金がかかるため、家事・育児の代行に関する費用をカバーできる程度は、生命保険で準備する必要があります。

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