歴史は古く平安期から親しまれてきたとされる国民食のかき氷。最近は味のバリエーションが増え“映え”を意識したかわいらしい見た目の商品が登場するなど進化を続けている。うだる暑さに、ひとときの涼を届けたい―。「岡山らしさ」に注目した3品を紹介する。
白桃がどーんと1個
雪だるま!?ではありません。シーズン真っ盛りの桃が丸ごと1個どーんとのった「もももちゃんミルクかき氷」(1300円)。桃農家が営むカフェ「ピーチファーマーズビレッジ」(岡山市北区芳賀)で9月上旬ごろまで販売している。
桃が収穫できる季節限定で、品種を変えながら提供する。8月の初めまでは清水白桃、それ以降は川中島白桃や白麗(はくれい)、白皇(はくおう)が味わえる。氷にかかった桃のピューレと、練乳の相性もぴったり。
カフェは桃栽培などの創・和(同市)が昨夏にオープン。約2ヘクタールの自社農園で育てた桃を使う。社長の加藤雅敏さん(46)は「天候に左右されやすい果物だが、毎日ベストを尽くして育てている。思う存分堪能して」と話す。月曜休み。
爽やかなデニムの色
爽やかな淡いブルーに涼を感じる。その名も「デニム」(800円)。優しい甘さのシロップはホワイトチョコレート風味とほんのり香るミントで仕上げた。ムースのようなクリームチーズのエスプーマがふわりとかかる。中にはイチゴやバタークッキーが入っている。
販売するのはかき氷専門店「Chou2(シュシュ)」(倉敷市西中新田)。同市児島地区が国産ジーンズ発祥の地とされることから、ハーブの一種「バタフライピー」を使い色を再現した。昨夏に期間限定でメニューに加えたところ、すぐに売り切れる人気で定番商品にした。
「女の子が手に持つと、かわいらしさが引き立つようビジュアルにもこだわった」と考案したシェフの塩見香月さん(33)。無休。
あんシロップ滑らか
菓子製造販売の大手饅頭伊部屋(岡山市)が運営する「大手まんぢゅうカフェ」(倉敷市中央)は、7~8月限定でかき氷を提供している。
ふわふわに削った氷の上に大手まんぢゅうのあんを使ったシロップをとろっとかける。きめ細かく滑らかで、すっきりとした味わいのこしあんは氷とよく合う。トッピングの白玉と甘納豆は別皿で出す。ほうじ茶が付く。
カフェは新型コロナウイルスが広がり始めた2020年3月にオープン。店だけで楽しめる特別メニューで誘客しようと21年に販売を始めた。常務の大岸聡武さん(36)は「氷の中に何かが隠れているサプライズ付き。あんこ好きはぜひ一度食べてみて」とアピールする。950円。月~水曜休み。