富士急ハイランドに12年ぶりに新型コースター『ZOKKON(ぞっこん)』が、7月20日(木)にオープンします。構想約4年、総工費約45億円かけた大型コースターですが、新型コロナウイルスの影響で材料調達が困難になり、約1年延期してのオープンです。
『ZOKKON』が建設されたのは、もともと『トンデミーナ』と『EVANGELION:WORLD』があった場所で、『トンデミーナ』は分解して別の場所へ移動しています。
『ZOKKON』がある場所へ向かうと車両モデルが展示されていたので、試しに乗り込んでみました。またがらないためバイクというよりはビッグスクーターに近いライディングポジションです。海外ではバイクのようにまたぐタイプもあるものの、服装制限をしたくないためにビッグスクータータイプを採用したそうです。
車両をデザインをしたのは富士急ハイランドで、スイスのメーカーに発注したオリジナルコースターです。今回乗った車両の色がグリーンだったため、カワサキのバイクなのか? とも思いま
したが、カワサキはビクスクを販売していませんし、他にもピンクと青の車両がある
とのこと。いまのところ『ZOKKON』にスポンサーは付いていません。
4回の急加速、逆走、音楽や映像演出の『ZOKKON』
『ZOKKON』は、従来のコースターのように、最初に一番高い場所に車両を持っていき自由落下して走るのではなく、スタートを含む4箇所あるリニア加速システムのみで走らせる珍しいコースターです。最高速度は73km/hですので、バイクならば一般道以上、高速道路未満の速度域なため速さはそれほど感じません。
また、バイクではありえませんが途中で逆走して、また元に戻る演出も目新しいものでした。他のコースターと違い地面スレスレを走るのは、バイクをイメージしているからだそうです。
『ZOKKON』が変わっているのは、車体の足元付近にオーディオシステムを搭載していて、音楽を聞きながら走るところです。コース終盤では一時停止して、音楽と連動した映像演出もあり、手掛けたのは「SEKAI NO OWARI」です。
バイクのように前傾姿勢でハンドルを握り人馬一体感を味わえるので、絶叫というよりは爽快。ただし、最後のリニア加速からのコーナーはそこそこのGがかかりビビリます。
▽『ZOKKON』
・最大勾配:48度
・最高速度:73km/h
・最大加速度:3.1G
・乗車定員:14名
・所要時間:約3分
・身長制限:120~195cm
・年齢制限:~64歳
8人乗りの単車両が121度の角度で落下する『高飛車』
当日は、『ド・ドドンパ』と『FUJIYAMA』が施設点検で休止だったため、『高飛車』と『ええじゃないか』に続けて乗ってみました。
『高飛車』は、2011年7月に登場した絶叫マシンです。8人乗りの単車両のため機敏な動きが特徴で、スタート時のリニアランチによる急加速では、約2秒で最高速度100km/h、最大加速度4.4Gというスペックを誇ります。
また、途中で巻き上げにより、地上43mという高さから121度のえぐる角度で落下します。これは『高飛車』の一番の目玉でもあり世界記録に認定済みです。
▽『高飛車』
・コース全長:1,004m
・最大落下角度:121度
・最高部:43m
・最高速度:100km/h
・最大加速度:4.4G
・乗車定員:8名
・所要時間:約2分50秒
・身長制限:125cm~
・年齢制限:~54歳
急降下や前向き、後ろ向き、回転など変則的な動きで翻弄される『ええじゃないか』
最後に乗ったのが2006年7月に登場した『ええじゃないか』です。まず、驚くのが脱げてしまわないように靴を脱いで乗り込むところです。また、下を向きながらの急降下や前向き、後ろ向き、回転など変則的な動きがあるため、身体が動かぬように安全バーで腰まわり、肩まわりをガッチリと固定されます。まったく動けない状態で、筆者同様に拘束自体が怖いと感じる人もいるかもしれません。
床が下がり足は宙ぶらりん状態でスタートし、地上76mの高さまで巻き上げられたと思うと、真っ逆さまにダイブ。レールが見えないため、この先の動きがわからず身体も対応できません。
ループとひねり、座席の回転をあわせて14回という世界記録に認定されているのですが、カウントしている余裕はありません。強大なマシンに身体を委ねて、「もう、どうにでもしてくれ!」という諦めにも近い気持ちで、とてもじゃないけれど「ええじゃないか!」なんて叫べませんでした。
▽『ええじゃないか』
・コース全長:1,153m
・総回転数:14回
・最高部:76m
・最高速度:126km/h
・最大加速度:3.67G
・乗車定員:1編成20名
・所要時間:約2分
・身長制限:125~200cm
・年齢制限:~54歳
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個人的な感想ですが、音楽を聞きながら走る目新しさや、バイクに乗っている人馬一体の爽快感を味わうのなら『ZOKKON』。落下角度121度という異次元の体験を味わうのなら『高飛車』。不可思議なグルグル体験で先が予想できない絶叫を味わうのなら『ええじゃないか』がおすすめです。
人気のアトラクションは、平日でも1時間待ちにもなるため、富士急ハイランドでは優先して乗れる「絶叫優先券」を販売しています。一日で絶叫マシンに全部乗るのであれば必要かもしれません。今年の夏に絶叫マシンのはしごをしてみませんか?
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▽富士急ハイランド
https://www.fujiq.jp/