「これは単純で大事なことです。
嫌いな人は嫌いでいい。
それ以上考えないようにすること。」
お寺の住職さんがつぶやいた「お寺の掲示板」の言葉が心に染みるとTwitter上で話題です。
投稿したのは、ネコ坊主さん(@yabumoto610)こと大阪・専念寺の住職・籔本正啓さん。毎日「今日のお寺の掲示板」と題して、仏教の教えに基づいた”言葉”をSNSに載せているとか。
5万超のいいねが付くなど話題を集めた7月7日の投稿は、人間関係にまつわる言葉。「嫌いな人は嫌いでいい」という嫌いな人への心の持ち方を伝えています。そんなひと言に「救われた」「その通り!」などと感謝と共感のコメントが寄せられました。
「嫌いになる自分が悪いのかなぁ~と悩んだりしたこともありました。シンプルな格言に救われます」
「ご住職、見てました 昨日の今日です。あースッキリしました〜ありがとうございます」
「ほんそれ」
「全くもってその通り!!」
「人間相性あるからね。無理なもんは無理」
話題の「ネコ坊主」さんは…大阪のお寺の40代住職 「お寺の掲示板」をSNSに投稿
さらに、その言葉の意味をInstagramに掲載。「仏教では おんぞうえ-く【怨憎会苦】 怨うらみ憎む者にも会わなければならない苦しみのこと。 仏教で説く、人間界の八つの苦しみの一つ。これは嫌いな人は自分の思い通りにならないということ」だといいます。
籔本さんによると、お寺に寄せられている相談の中で一番多いのが人間関係の悩みとのこと。だからこそ、今回は少しでもその悩みを多くの人に解消してもらいたいとつづった言葉だといいます。
「コミニケーションが苦手な人は嫌いな人、好きな人と分けがちです。そこで嫌いな人の事をどう扱ったりどういうように自分で処理をしたらいい分からない人が多いように思います。だから、その人たちに向けて嫌いな人は嫌いでいい。と、自分でまず認めて考えないようにするほうが心がスッキリするのではという思いで書きました」
毎日そんな「お寺の掲示板」の言葉を考える籔本さん。仏教からの教えから外れないことは大前提で、難しくなく分かりやすい、そして共感できる言葉を選んでいるそうです。掲示板は17年ほど前に始められ、「ネコ坊主」と名乗るようになったのはここ1カ月ほどだとか。
なぜ「ネコ(猫)」なのか尋ねると、「ネコは日本の仏教を手助けした生き物です。中国から日本に経典を運ぶ時に船にどうしてもネズミが紛れ込みます。大事な書物をかじられないようにネコを一緒に輸入しました。それから経典を安置する蔵にネコが描かれる事があります。私のお寺の専念寺の蔵もネコが描かれています。そんな仏教を助けてくれた生き物をサッ処分(殺処分)から守りたいという思いからです」と話してくれました。
「一向 専念寺」は、大阪市平野区喜連瓜破にある慶長2年(1597)に創建された豊臣家ゆかりの寺。籔本さんは現在41歳で、25代目の住職とのこと。サクラネコの御朱印帳と御朱印を提供しており、また奉納金の一部は地域ネコ活動などに寄付しているそとのことです。月替わりの御朱印が人気。郵送でも受け取り可。問い合わせは、メール(sennenji1597@gmail.com)まで。