ぐっすり眠るためのポイントの1つが「適度なデスクワーク」
ところで、著者の遠藤さんのスリープクリニックには、「なかなか寝つけない」「夜中に目が覚める」といった不眠の悩みを抱える人が多く来院するそうです。特に、ミドル・シニア世代になると睡眠力が衰え、若い頃よりも「質のよい睡眠」を得にくくなるといいます。
本書では、そんな世代に特にオススメの「ぐっすり眠るための7つのポイント」も紹介されていました。
1.7時間以上床にいない
2. 1日に7000歩程度の活動を
3. 1日に7時間程度のデスクワークを
4. うたた寝や午後の長い昼寝をしない
5. ストレスをためない
6. 昼と夜の光を調節する
7. 寝る前に体温を上げる
ここでいう、「デスクワーク」とは、仕事以外にもぬり絵などの趣味活動も含まれます。繊細で単純作業の繰り返しで無心になれるぬり絵は「ストレス」の解消にも役立ちます。寝る前にテレビ・スマホといった明るい画面を見ることは明らかに睡眠の質を下げてしまいそうですが、それに対し、間接照明などの光のもとでぬり絵を行うと「昼と夜の光を調節する」ことにもつながるのだとか。
ぬり絵は質の良い睡眠を得るための、効率的ツールと言って良いかもしれません。
繰り返される絵柄や、細かい絵柄がのぬり絵がベター
同書には多くの「ぬり絵」が収録されていますが、それらはいずれも細かい図版ばかり。寝る前にするぬり絵にしては、ちょっとハードル高めにも思いますが、ここにも遠藤さんの考えが強く反映されているとのこと。担当編集者に聞きました。
「睡眠の質を上げるためのぬり絵の場合、遠藤拓郎先生は『繰り返される絵柄や、細かい絵柄がよりよい』とおっしゃっていました。眠くなるために心を落ち着けるには、大雑把で気楽に楽しめる絵柄が良いのかなとイメージしていましたが、寝室のふすま模様にあるような繰り返しになる絵柄やより繊細で細かい絵柄のほうがぐっと引き込まれ、心地よいリズムとなり心と脳が癒されるのだそうです。本書では、先生のお話を取り入れ、伝統文様と季節の花々を組み合わせて、細部まで書き込まれた美しく繊細なぬり絵を多く収録しました」(担当編集者)
実際に本書でぬり絵に挑戦してみると、最初は真っ白の上に線画だけが描かれていたものが、自分がイメージしていた色に変わっていくのが面白く、そしてリラックスした感覚にもなりました。この点についても担当編集者はこう話します。
「ぬり絵に対し『ぬる色』はなんでも良く、『自分の好きな色でぬることが大切だ』と遠藤拓郎先生は言います。眠くなる配色があるのではと思っていたのですが、突き詰めればモノトーンでぬってもよく、自分がそのとき心地よいと思う色で、ぬり絵をぬるという作業がより快適な眠りに導くと言います」(担当編集者)
「ぬり絵」「睡眠」双方の満足感を得られる一冊
「『心地よく眠る』ためのぬり絵。春夏秋冬の華やかな花々と、寝室を飾る唐紙のような伝統的な文様など、本書のぬり絵は、心地よい眠りにつくための工夫に満ちています。牡丹と蝶、朝顔と金魚、葡萄栗鼠、椿と猫など、きっとぬってみたいと感じていただける絵柄が見つかるはずです。『なかなか寝つけない』『夜中に目がさめる』『スッキリ目覚められない』などの悩みを抱える人はぜひ試してみてください」(担当編集者)