寝ても寝ても眠い日があります。長年不定期にやってくる不眠に悩まされるたび、寝る前のスマホをやめたり、リラックスできる音楽を聴くなどして、いろいろ試した経験がある人は多いことでしょう。そんな中、「ぬり絵をすると、よく眠れる」という説を聞きつけました。えっ?ぬり絵に集中して逆に交感神経が優位になって眠れなくなるんじゃないの? とも正直思いましたが、この説を前面に押し出した本が何かと話題になっているようです。
この書籍は『脳と心を癒して心地よく眠る 和の花もようのぬり絵』(遠藤拓郎・著、藤田有紀/三葉南央子・画、日本文芸社)。著者は3代にわたって90年以上睡眠研究を続ける睡眠医療の専門家であり、スリープクリニック院長でもある遠藤拓郎さん。医学的見解に基づき、塗り絵が睡眠に効果的な理由やぐっすり眠るための7つのポイントが書かれています。塗り絵のデザインにも、睡眠の質を上げるための多くの工夫がされているそうです。
「ぬり絵でぐっすり眠れる」理由は主に4つあった
そもそも、塗り絵をするとなぜぐっすり眠れるようになるのでしょうか。
■ぬり絵に没頭してストレスを発散
寝る前にぬり絵の世界に没頭して過ごすことで、マイナスの感情を忘れされることができ、結果的にストレスが減り、睡眠の質が向上します。
■自分で作業をすることでうたた寝を防ぐ
ぬり絵という積極的な作業に集中することで、寝る前のうたた寝を防ぐことができます。
■間接照明でメラトニンの抑制をマイルドに
夜間にテレビ、パソコン、スマートフォンなどの明るい光に目を向けると目が冴えてしまいます。夜は間接照明に切り替えた部屋でぬり絵を行うことで入眠がスムーズになります。
■目がゆっくり動くため、脳の興奮が穏やかに
目を早く動かすことで脳に強い刺激が加わり、寝つきが悪くなることにつながります。目を比較的ゆっくり動かすぬり絵をしているときには、脳の興奮も穏やかになり、眠りに入りやすくなります。
なるほど、「ぬり絵」という作業の単調さと細やかさが、脳と心をリラックスさせ、眠りやすい体にしてくれるようです。