「本好きの息子、星新一にハマった後、作者がもう亡くなっていることを知って落ち込み、少年探偵団シリーズにハマった後、江戸川乱歩もすでに亡くなっていることを知って落ち込んでいた。新作はもう出ないのかと。一見当たり前に思える“推しの新作を待てること”がいかに貴重かと改めて思い知った」
アイドルやアーティスト、あるいは作家など自分が好きなものを応援する活動「推し活」。その楽しみのひとつは、なんと言っても最新作がリリースされる瞬間に立ち会えること。「次はどんな作品で私たちを魅了してくれるの?」とワクワクし、「同じ時代に生まれて良かった」と畏敬の念を抱くものです。しかし、推しが既に存命ではない場合も。
そんな現実を知ってしまった息子さんの姿を見た父親の投稿には共感の声が多数。その後の息子さんの様子などお話を聞きました。
推しを推しまくって感謝を伝えたい
父親の山本健人(外科医けいゆう, Takehito Yamamoto)(@keiyou30)さんによると、小学生の息子さんは無類の本好き。「読みすぎて自分が読みたい本がなくなったらどうしよう」と不安を口にしたこともあるほどで、「本は1ヶ月6000冊くらい出版されるから読み切る心配はないよ」と山本さんが説明したというエピソードもあるほど。
星新一、江戸川乱歩の新作を読む機会がないと知った時は少し残念な様子でしたが、「他にもたくさん好きなシリーズがあるので、また別の何かにハマればいいや」という感じで気持ちを切り替えていたとのことでした。
息子さんとの会話を機に、推し活に思いを馳せた山本さん。「人が元気でいられる期間など案外短いので、推しが元気なうちに(自分も元気なうちに)しっかり推して推しまくって感謝を伝えるべきなんですよね」と改めて意を決したようです。
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今回の投稿に対して、
「生きて新作を読めるのは、いい事だと好きな作家の訃報にあたると思います」
「山本周五郎にハマり全作品読了後、もう新しい作品に出会う事はないのだと落ち込んだ時期がありました」と同じ思いを語る人、
「J-POPの礎を築いてきたレジェンド、 聴けるうちにライブ等行っておこう」と改めて宣言する人も。
また、「俺も好きなバンド結構前に解散してる」。亡くならずとも、解散という形の悲劇があることにも気付かされました。
「“推しは推せる時に推せ!”は名言」とのつぶやきもありましたが、山本さん自身も「ある俳優さんが亡くなって、“もうその俳優さんの演じる〇〇は見られない”と思ったことや、ある音楽家が亡くなって“その方の作る新しい曲はもう聞けない”と思ったことがあります」。今の推しは秘密とのことですが、思いっきり推し活を楽しむつもりだそうです。
推しが頑張る姿を見て元気や勇気をもらったり、次のイベントに参加するため仕事や勉強に励むようになったりする推し活。推しが好きだと話していた書籍や絵画に触れる、イベント参加で訪れた街を観光する、一緒に楽しむ仲間が増えるなど、推しの存在が新しい世界へ導いてくれることも。もちろん、自身の生活がまわらなくなるほど夢中になる、あるいは課金しすぎるのはNG。そんな状況に落ちるのは推しも喜ばないはず。自分のできる範囲で全力で推し活を楽しんで、推しに「ありがとう」の気持ち、届けましょう!
■山本健人(外科医けいゆう, Takehito Yamamoto)さんTwitter @keiyou30